11. 既知の不具合

11.1. Winmostarを管理者権限で起動するとドラッグアンドドロップでファイルを開けない。

現行のWinmostar (Winmostar V.8)では、Winmostarを管理者権限で起動するとドラッグアンドドロップでファイルを開けません。将来的に修正予定ですが、作業時期は未定です。(2018年5月24日報告)

11.2. Windowsの"Use Unicode UTF-8 for worldwide language support"オプションを有効にすると一部のソフトが動作しなくなる。

英語版Windows 10(1803)において、[Control Panel]-[Region]-[Administrative]-[Change system locate...]-[Use Unicode UTF-8 for worldwide language support]にチェックが入っていると、FDMNESの実行に失敗するという報告がありました。FDMNES実行時に読まれるfdmfile.txtがBOM付で出力されることによる不具合です。問題が発生したタイミングでWinmostarを順次対応させていますが、他の機能で同様の問題が発生した場合はご連絡ください。(2018年5月25日報告)

11.3. Animation、Submit Jobなどの一部のサブウィンドウを開き、閉じた後にまた開こうとしても出現しない。

ごく一部の環境で確認されています。出現しない場合は、Alt+スペースキーを押すと[元のサイズに戻す][移動][サイズ変更]...などのメニューが出現するので、[移動]を選択しドラッグ操作するとウィンドウが再度出現します。あるいは、Winmostarを再起動することで一旦解消します。現在、よりよい対処方法を検討中です。(2018年6月14日報告)

11.4. Animationウィンドウ下部のグラフ表示が崩れる。その他UIの表示が崩れる。

デスクトップのテキストやその他の項目のサイズをデフォルト値(100 %)から変更している場合は、表示が崩れます。 Windows8の場合は[コントロールパネル]-[デスクトップのカスタマイズ]-[ディスプレイ]-[すべての項目のサイズを変更する]を[小-100%(規定)]に設定してください。 Windows10の場合は[Windowsの設定]-[システム]-[ディスプレイ]-[カスタムスケーリング]を「100」に設定してください。 (2018年6月26日報告)

11.5. ローカルマシンのジョブが流れているコンソールウィンドウ内でテキストを範囲選択すると、Job Manager上でそのジョブが終了と認識されてしまう。

Windows10のコンソールウィンドウ上で、実行中のジョブのログのテキストを範囲選択すると、ジョブが終了したと認識されます。これにより不具合が生じる場合は、出力されるログファイルを直接テキストエディタで開き、そこでテキストを範囲選択、コピーなどしてください。範囲選択後、処理が中断する場合は、Enterキーを押すと処理が再開します。Windows10以降で発生します。 (2018年7月20日報告)

11.6. ローカルマシンでGromacsを実行中にGromacsがフリーズする。

ごく一部のマシン上で、ローカルマシンでGromacsを実行中にGromacsがフリーズします。MD計算の最中に発生し、標準出力の内容が変化しなくなります。フリーズする箇所に再現性がありません。このような場合は、Gromacsキーワード設定の「# of Threads」を1にすると回避できます。無論処理は遅くなるので、本格的な計算を流したい場合はリモートサーバを利用したリモートジョブ投入機能をお使いください。また、WinmostarではGromacsと似た操作方法でLAMMPSを使用できますので、LAMMPSをお使い頂くという選択肢もございます。 (2020年12月4日報告)

11.7. GromacsのChiまたはDPDパラメータ計算機能において本来の定義の0.5倍の値が出力される。

V9またはV8のユーザの方は、不具合が修正されている9.0.2以降または8.027以降に更新してください。 V7の方はサポート期間外のため算出値に関してはご注意ください。 (2019年6月2日報告)

11.8. RISM対応版のQuantum ESPRESSO使用時に、メインウィンドウのキーワードが変更されていないにも関わらず変更されたと表示されることがある。

constant-mu計算時(lfcpopt = .True.)に、fcp_muの値が更新されたと誤判定されます。実際には値が変更されるわけではないため、そのまま使用しても問題ありません。 (2019年6月2日報告)

11.9. アニメーションウィンドウからアニメーションGIFを出力する際に、フレーム数が多いとエラーがでることがある。

Export JPEG Images を使用して連番JPEGファイルを出力し、その後各種の動画作成ソフトを利用してアニメーションのファイルを作成してください。 (2020年1月29日報告)

11.10. Gromacsが出力するIsothermal Compressibility(等温圧縮率)、Adiabatic Bulk Modulus(断熱体積弾性率)の単位が間違っている。

gmx energyのログに、Isothermal Compressibilityの単位が「J/m^3」と書かれていますが、正しくは「m^3/J」です。同様に、Adiabatic Bulk Modulusの単位は正しくは「J/m^3」です。 (2020年6月29日報告)

11.11. Gromacsのトラジェクトリを読み込んだ構造または、最終構造において、本来繋がっているべき分子がバラバラに表示される。

Gromacs本体の不具合に由来しています。長時間の計算ほど発生する可能性が高くなります。ただし、周期境界を考慮すると正しい原子配置となっているため、そのMD計算自体に問題はありません。特に界面ビルダで2つの系を接合するときなどに問題が生じます。バラバラになった分子を元に戻す場合は、[編集]-[周期境界条件に基づき原子を再配置]において、[セルの内側に原子単位で再配置]をクリック→[適用]ボタンをクリック→[原子単位で再配置された構造を元に戻す]をクリック→[適用]ボタンをクリック→[OK]ボタンをクリックとしてください。ただし、計算した時と同じセルでこの操作を行う必要があるため、界面ビルダなどを使用する前に実行してください。 (2020年12月25日報告)

11.12. [ファイル]-[インポート]-[SMILES]でSMILES文字列を読み込んだが、意図通りの構造が読み込まれない。

SMILESを読み込むプログラムは世の中に何種類かあり、それぞれ若干の実装の違いにより生成される分子が変化してしまいます。 WinmostarではSMILESの読み込みにOpenBabelまたはBalloonを使用しており、[Import SMILES]ウィンドウにおいて実際にどちらを使うか選択することができます。

例えばOpenBabelでは"C[C@@H]1CCCC[C@@H]1C"(本来ならcis-1,2-Dimethylcyclohexane)がtrans-1,2-Dimethylcyclohexaneとして認識されました。 (2021年4月20日報告)

11.13. Winmostarの処理中にWindows(エクスプローラ)上で直接作業ディレクトリ、作業フォルダを削除するとWinmostarがフリーズする。

処理が終了している時またはWinmostarが終了している時に削除してください。 (2021年12月24日報告)

ヒント

作業ディレクトリ

  • 作業ディレクトリとは、メインウィンドウで開かれているファイルの名前に接尾辞を加えた名前のフォルダです。

    • 接尾辞はソルバの種類により変わります。
    • 例えばGromacsの場合は、メインウィンドウで開かれているファイルが aaa.gro で、接尾辞が _gmx_tmp の場合、作業ディレクトリの名前は aaa_gmx_tmp となります。
  • メインウィンドウで開かれているファイルと同じ階層に置かれている必要があります。

  • 継続ジョブの時も同名の作業ディレクトリで処理が流れますが、デフォルトでは継続ジョブの実施直前に、直前のジョブの作業ディレクトリのバックアップが作成されます。

    • バックアップの名前は、重複する名前が存在しない範囲で一番小さい番号が付いたものになります。例えば、作業ディレクトリが aaa_gmx_tmp のときは aaa_gmx_tmp1 となります。
    • 番号が付いていないディレクトリが常に最新のものとなります。

11.14. AnimationウィンドウからアニメーションGIFを出力しようとするとAccess Violationエラーが発生する。

フレーム数が大きい場合や原子数が大きい場合に発生することがあります。Animationウィンドウの [File]-[Export JPEG Images...]から連番JPEGファイルを作成し、その連番JPEGファイルを各種の動画作成ソフトでアニメーションファイルに変換してください。将来的にはアニメーション出力機能を抜本的に改良し、この問題を解決することを予定しています。 (2022年2月17日報告)