Winmostar(TM) V7 操作マニュアル (とりあえずの一歩)

 1. WinmostarTMの画面

WinmostarTMを立ち上げると以下のような画面が表示され、初期画面にC H の二原子が表示されます。

winmo_window
① 分子表示ウィンドウ
作成中の分子モデルが表示されます。⑥~⑫のボタンを使って置換基の追加、削除を行い、目的分子を作成します。

② 拡大・縮小スライダー
分子表示ウインドウに表示されている分子の拡大、縮小を行います。

③ キーワード用テキストエリア
分子軌道法計算プログラムの実行条件を指定するキーワード、実施計算のタイトルを入力します。

④ Z-Matrixテキストエリア
作成中の分子モデルのZ-matrixが表示されます。直接編集も可能です。

⑤ 第二テキストエリア
追加の計算パラメータを入力することが出来ます。

⑥ Addボタン
選択された原子(太い丸で囲まれた原子)の上に新たな原子を追加します。原子の選択は、該当する原子を左クリックするだけで、太い丸が表示され選択状体になります。追加する原子は⑪の元素リストボックスで選択します。

⑦ Del (delete)ボタン
選択している原子(太い丸で囲まれた原子)を消去します。-CH3Cのように、末端水素を持ち、かつ水素以外の原子と一つの結合を持つような原子を選択した場合は、-CH3全体が水素に置換されます。

⑧ -CH3,-C2H3,-C6H5ボタン
置換を行うときの部品(置換基)を設定します。次の部品リストボックスと同じです。

⑨ 部品リストボックス
置換を行うときの部品(置換基)を選択して設定します。使用頻度の高いもの(-CH3,-C2H3,-C6H5)は⑧の専用のボタンで選択できます。

⑩ Rep (replace)ボタン
⑧あるいは⑨で選択した部品(置換基)で、選択した原子を置き換えます。マウスの右クリックで、原子の選択と置換を同時にすることもできます。

⑪ 元素リストボックス
元素変更を行うときの元素を設定します。

⑫ Chng(change)ボタン
選択している原子の元素を、⑪で設定した元素に変更します。


 2. マウスの使い方


キーボード 左ボタン 左ボタン+ドラッグ 右ボタン 右ボタン+上下ドラッグ ホイール
なし 選択 回転 選択+部品置換 縮小・拡大 縮小・拡大
Shift 選択+原子削除
Ctrl 複数選択・
複数選択解除
複数矩形選択



 3. 分子モデリングのヒント


 起動直後、またはファイルメニューから「新規」を選択して分子表示エリアが初期状態になったあと、 -CH3ボタンを押してから、Repボタンを1回押すとメタンができます。 さらにRepボタンを押すごとに、エタン、プロパン、n-ブタンと-CH3が追加されていきます。
 分子表示画面内でマウスの左ボタンを押しながらドラッグすることにより見やすい角度にすることができます。
このように、原子を左クリックして置換位置を変えたり、部品リストボックスの部品を変更することで、 さまざまな分子を作成することができます。

but1

 また、下図のように2原子を指定した状態(順番に左クリックする)で、 編集メニューから部分回転部分移動などを選択することにより、分子を変形することができます。


but2
but3

 4. 分子モデルの保存

 ファイルメニューから名前を付けて保存を選択します。 適当な保存場所(フォルダ)を指定し、ファイル名、たとえば、”test.dat”等、を付け保存します。

save_as


 5. スチレンのモデリングとMOPAC計算

 初期画面で分子表示ウィンドウの炭素をクリックし、 上部にある[-C6H5]を押した後[Rep]を押すとベンゼンの構造ができます。 次に、接続したい所の水素をクリックし、[-C2H3]を押した後[Rep]を押すとスチレンができます。

 [計算1]メニューから[(1)MOP6W70 Start] を選ぶと、分子が編集されたのでsaveするかどうか聞いてきます。 ここで「はい(Y)」を選ぶと画面にDOSウィンドウが現れて計算が始まります。

 計算が終わると計算結果のOutputファイルがテキストエディタで開かれます。 構造最適化計算が正常終了した場合、分子表示ウィンドウに最適化された構造が自動的に読み込まれます。
 GRAPHFキーワードが指定してある場合は、 [計算1] - [インポート] - [MO(mgf)]でmgfファイルを読込むことで分子軌道表示ができます。

stylene_example