8.3. DCDFTBMD¶
8.3.1. キーワード設定¶
DCDFTBMDの計算条件を設定します。設定後 OK ボタンを押してください。
Reset ボタンでデフォルトの状態に戻ります。 Save ボタンで設定を保存します。 Load ボタンで Save にて保存した設定を読み込みます。
- Extending Simulation
継続ジョブを実行します。 キーワードRESTART=TRUEが設定され、
restart
の情報から計算が再開されます。詳細は 実行 を参照してください。
- # of Threads
- OpenMPの並列数を指定します。
- Use MPI
- MPIを使用します。横の欄にはMPI並列数を指定します。
- Basic
- Charge
- 系全体の電荷を指定します。
- Multiplicity
- 系全体のスピン多重度を指定します。
- Parameter Set
- 使用するパラメータの種類を選択します。 Winmostarのインストールフォルダ(デフォルトでは
C:\winmos9\
)の下のDFTBParam
フォルダに配置したフォルダの名前がリストアップされます。DFTBParam
フォルダの下に置くフォルダは、skfなどのパラメータファイルを含む必要があります。 例えば、C:\winmos9\DFTBParam\mio-1-1\C-C.skf
という階層構造が想定されます。- Open Directory for Parameter Set
- 前述の
DFTBParam
フォルダを開きます。- Reload Parameter Set
- 前述の
DFTBParam
フォルダを再度読み込み、 Parameter Set のリストを更新します。- Executable
- 計算に使用するDCDFTBMDのバイナリを指定します。 MPIを使用するときは
dftb_mpiomp_mpich.00.x
などのMPI対応版のバイナリを指定する必要があります。 ここで指定するバイナリへ、リモートサーバ上でPATHを通しておく必要があります。- Advance
- Method
SCCまたはNCCを選択します。
- THIRDFULL
- SCC ハミルトニアンに対する3次補正を使用します。
- DAMPXH
- X-Hペアに対するSCC相互作用の短距離でのダンピングを使用します。
- MAXITER
- SCCサイクルの最大数を指定します。
- ECONV
- エネルギー変化の収束条件を指定します。(atomic unit)
- DCONV
- グラジエント変化の収束条件を指定します。(atomic unit)
- DISP
経験的分散力補正を使用します。
- DISPTYPE
- 経験的分散力補正の種類を指定します。
- DC
分割統治法を使用します。
- SUBTYPE
- 部分系の作り方を指定します。
- BUFRAD
- 球状バッファ領域の半径を指定します。(angstrom)
- DELTAR
- SUBTYPE=AUTOで系を立方体空間に分割する際のグリッド (angstrom)
- OPT/FREQ
- OPT
構造最適化計算を実行します。
- MAXITER
- 構造最適化サイクルの最大数を指定します。
- DCONV
- グラジエント変化の収束条件を指定します。(atomic unit)
- FREQ
- 調和振動解析を実行します。
- MD
分子動力学計算を実行します。
- NSTEP
- ステップ数を指定します。 Extending Simulation にチェックを入れている場合は、継続前のジョブのステップ数とこれから流すジョブのステップ数の和を入力する必要があります。
- DELTAT
- 時間刻みを指定します。 (second)
- BATHTEMP
- NVTおよびNPTアンサンブルを利用するときの熱浴温度を指定します。 (Kelvin)
- Ensemble
- アンサンブルの種類を指定します。
- NVTTYPE
- 熱浴の設定を指定します。
- INITTEMP
- 初期温度を指定します。 (Kelvin)
- シミュレーション中の座標等のファイルへの出力頻度を指定します。
- CALCPRESSURE
- 圧力を計算します。継続ジョブを行う際には、引継ぎ前のジョブの設定から変更することができないので注意する必要があります。
- Properties
- MO
- 分子軌道係数を出力します。(部分系の数が1の場合のみ)
- ATOME
- 全エネルギーに対する各原子からの寄与を出力します。
- HS
- ゼロ次ハミルトニアン、重なり行列を出力します。(部分系の数が1の場合のみ)
- FORCE
- エネルギーと力の計算を行います。
- STRESS
- 応力テンソルと格子ベクトルの微分計算を行います。
- Options
- Restore Working Directory
- 継続ジョブが異常終了時など、作業ディレクトリを実行前の状態に戻す際にクリックします。
8.3.2. 実行¶
DCDFTBMDを実行するために、 リモートジョブ を開きます。 詳細な操作方法は リモートジョブ を参照してください。
状況に応じて実行方法が異なります。
- (デフォルト) Extending Simulation にチェックがない場合
- 実行時にユーザが指定した名前で入力ファイル(拡張子dci)を保存し、それを用いて計算を実行します。
- Extending Simulation にチェックがある場合
- メインウィンドウで開かれた入力ファイルに紐づけられた既存の作業ディレクトリのバックアップを作成し、新たに作成した作業ディレクトリの中に入力ファイルを
dftb.inp
として保存し、それを用いて計算を実行します。実行に伴い以下のファイルが生成されます。 例として入力ファイルが
water.dci
の時のファイル/フォルダ名を併記しています。
種類 説明 dcoファイルwater.dco
DCDFTMDの標準出力ファイルです。作業フォルダのdftb.out
をコピーしたものです。 シェルスクリプトwater.sh
DCDFTBMDとそのプリ・ポスト処理を実行するためのシェルスクリプトです。 confファイルwater_conf.sh
上記シェルスクリプトの中で使われる変数を収めたファイルです。 作業ディレクトリwater_dc_data\
作業ディレクトリです。作業ディレクトリには以下のファイルが生成されます。 ここでは主要なファイルのみ示しています。
種類 説明 dftb.inp
実際にDCDFTMDに渡される入力ファイルdftb.out
標準出力ファイルdftb.dat
詳細出力ファイルtraject
MD計算におけるトラジェクトリファイルrestart
リスタート用ファイルヒント
作業ディレクトリ
作業ディレクトリとは、メインウィンドウで開かれているファイルの名前に接尾辞を加えた名前のフォルダです。
- 接尾辞はソルバの種類により変わります。
- 例えばGromacsの場合は、メインウィンドウで開かれているファイルが
aaa.gro
で、接尾辞が_gmx_tmp
の場合、作業ディレクトリの名前はaaa_gmx_tmp
となります。メインウィンドウで開かれているファイルと同じ階層に置かれている必要があります。
継続ジョブの時も同名の作業ディレクトリで処理が流れますが、デフォルトでは継続ジョブの実施直前に、直前のジョブの作業ディレクトリのバックアップが作成されます。
- バックアップの名前は、重複する名前が存在しない範囲で一番小さい番号が付いたものになります。例えば、作業ディレクトリが
aaa_gmx_tmp
のときはaaa_gmx_tmp1
となります。- 番号が付いていないディレクトリが常に最新のものとなります。
8.3.3. ログを表示(dco)¶
dco(標準出力)ファイルをテキストエディタで開きます。
8.3.4. 詳細出力ファイルを表示(dat)¶
詳細出力ファイルをテキストエディタで開きます。
8.3.5. OPTアニメーション(dco)¶
dcoファイルを選択し、構造最適化計算のトラジェクトリをアニメーション表示します。
アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。
8.3.6. アニメーション(traject)¶
dciファイルとtrajectファイルを選択し、MD計算のトラジェクトリをアニメーション表示します。
メインウィンドウのファイル名は変化しません。
アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。
と から平均二乗変位、自己拡散係数、動径分布関数を計算することができます。詳細は
8.3.7. エネルギー変化¶
ログファイルを選択し、エネルギー、温度などの各種熱力学量のグラフを表示します。
サブウィンドウの操作方法は Energy Plotウィンドウ を参照してください。