6.11. MD ‣ Gromacs メニュー

Gromacsに関するメニューです。

WinmostarではGromacsをCygwin環境上で実行するため、本機能を利用するためには cygwin_wmのセットアップ が必要です。

6.11.1. キーワード設定

Gromacsの計算条件を設定します。設定後、すぐに計算を実行する場合は Run ボタン、一旦メインウィンドウに戻る場合は OK ボタンを押してください。

Run をクリックしたときの挙動は Gromacs実行 を参照してください。

Reset ボタンでデフォルトの状態に戻ります。 Save ボタンでForce Fieldを除く設定を保存します。 Load ボタンで Save にて保存した設定を読み込みます。

Extending Simulation

継続ジョブを実行します。

詳細は Gromacs実行 を参照してください。

Preset
計算条件のプリセットを指定します。プリセットの内容は、各キーワードから確認できます。
# of Threads
スレッド並列数を指定します。
MPI (for Remote Job)
MPI並列数を指定します。 リモートジョブ投入で実行するときのみ反映されます。
Basic
Run Control
dt
数値積分における1ステップの時間刻みを指定します。
nsteps
計算するステップ数の最大値を指定します。
integrator
計算アルゴリズムを指定します。
Velocity Generation
gen-vel
初速度を生成するか指定します。
Fix random seed
チェックを入れるとgen-seedを使用します。
gen-seed
初速度のrandom seedを指定します。
Explicitly set gen-temp
チェックを入れた場合はここで初速度の温度をしていします。入れない場合はref-tが初速度の温度となります。
Temperature Coupling
tcoupl
温度制御のアルゴリズムを選択します。
tc-grps
温度制御対象のグループを指定します(スペース区切りで複数設定可)。
ref-t
設定温度を指定します(スペース区切りで複数設定可)。
tau-t
温度制御の時定数を指定します(スペース区切りで複数設定可)。
Pressure Coupling
pcoupl
圧力制御のアルゴリズムを選択します。
pcoupltype
圧力制御におけるセルの動かし方を示します。
ref-p
設定圧力を指定します。
tau-p
圧力制御の時定数を指定します。
compressibility
系全体の圧縮率を指定します。
Constraints
constraints
拘束条件を選択します。
Advance
Boundary Condition
pbc
周期境界条件を選択します。
Energy Minimization
emtol
エネルギー最小化計算の収束条件であるforceの最大値を指定します。
emstep
エネルギー最小化計算における粒子を動かすステップ幅の初期値を指定します。
Run Control
comm-mode
系全体の運動量の除去方法を指定します。
nstcomm
系全体の運動量を除去する頻度を指定します。
Temperature/Pressure Coupling
nh-chain-length
Nose-Hoover法で温度制御した際のNose-Hoover chainの段数を指定します。
nsttcouple
温度制御の頻度を指定します。
nstpcouple
温度制御の頻度を指定します。
refcoord-scaling
温度制御時のposition restraintの基準座標のスケーリングについて指定します。
Constraints
constraint-algorithm
拘束アルゴリズムを選択します。
continuation
親ジョブから拘束距離を引き継ぐか指定します。
lincs-order
LINCS法の次数を指定します。
lincs-iter
LINCS法における反復回数を指定します。
shake-tol
SHAKE法の収束判定に用いる打ち切り誤差パラメータを指定します。
Misc.
print-nose-hoover-chain-variables
温度・圧力制御パラメータを子ジョブに引き継ぐ場合に指定します。
define -DFLEXIBLE
水分子をflexibleにする場合に選択します。
define -DPOSRES
特定分子の位置を拘束する場合に選択します。(posres.itpをincludeする)
Output
Output Control
nstxout
原子の座標を出力する頻度をステップ数で指定します。
nstvout
原子の速度を出力する頻度をステップ数で指定します。
nstenergy
エネルギーなどの系全体の統計量をedrファイル(エネルギーファイル)に出力する頻度をステップ数で指定します。
nstxout-compressed
ファイルサイズを節約できるxtc形式で原子の座標を出力する頻度をステップ数で指定します。
compressed-x-grps
xtc形式で出力するグループを指定します。デフォルトでは系全体が対象となります。
Interaction
Neighbor Searching
nstlist
neighbor listを更新する頻度を指定します。
ns-type
neighbor listを作成する方法を指定します。
cutoff-shceme
neighbor listに含める原子の選択方法を指定します。
Use buffer-tolerance
neighbor listのカットオフ距離を自動設定する際のパラメータである、二体ポテンシャルエネルギーの打ち切り誤差を指定します。 チェックを外すとrlistの値がカットオフ距離として設定されます。
rlist
neighbor listのカットオフ距離を指定します。
VdW
vdwtype
ファンデルワールスポテンシャルの計算手法を指定します。
rvdw-switch
ファンデルワールスポテンシャル計算にSwitchingを選択した際に、Switchingが始まる距離を指定します。
rvdw
ファンデルワールスポテンシャル計算のカットオフ距離を指定します。
DispCorr
カットオフに伴うエネルギーおよび圧力の長距離補正の有無を選択します。
vdw-modifier
ファンデルワールスポテンシャルのカットオフ時のSwitching/Shiftなどの設定を選択します。
Electrostatics
coulombtype
クーロンポテンシャルの計算手法を指定します。
rcoulomb-switch
クーロンポテンシャル計算にSwitchingを選択した際に、Switchingが始まる距離を指定します。
rcoulomb
クーロンポテンシャル計算の実空間カットオフ距離を指定します。
coulomb-modifier
クーロンポテンシャルのカットオフ時のSwitching/Shiftなどの設定を選択します。
Ewald
Set # of grids for fourier space
チェックを入れた場合はfourier-spacingを使用します。入れない場合はfourier-nx, ny, nzを使用します。
fourier-spacing
Ewald, PMEまたはPPPM法における波数空間のメッシュサイズを指定します。
fourier-nx, ny, nz
Ewald, PMEまたはPPPM法における波数空間のカットオフ距離またはメッシュ数(それぞれx, y, z成分)を指定します。
pme-order
PME法における外挿関数の次数を指定します。
ewald-rtol
Ewald, PMEまたはPPPM法の精度パラメータを指定します。
Other
Other Parameters
その他の設定をmdpファイルの記述に基づき指定します。
Automatic
Rescale velocities to..
NVEアンサンブルにおいて目標温度に系の温度を近づけたい時に使います。計算中の平均温度とここで入力した温度からスケーリング係数を算出して、最終構造の各粒子の速度をスケーリングします。
Rescale box size to..
NPTアンサンブルで計算した後に、設定圧力に近い状態でNVEまたはNVTアンサンブルで計算した場合に使用します。最終構造を、計算中の平均セルサイズにスケーリングします。
Options
Make a Backup of Working Directory
作業ディレクトリ のバックアップを行う際に選択します。
Restore Working Directory
継続ジョブが異常終了時など、作業ディレクトリ を実行前の状態に戻す際にクリックします。
maxwarn
計算続行を許容するwarning message数の最大値を指定します(0:1つ以上のメッセージで中断)
Verbose Output
計算中のステップを表示させる際に指定します。
Concatenate .edr and .trr files
実行済の.edr ファイル及び.trrファイルとファイル結合する際にクリックします。 ファイル結合はExtending Simulationの後処理として実行されます。
Unwrap Atoms (trjconv -pbc nojump)
計算結果の.gro ファイル及び.trrファイルを周期境界で折り返さない(unwrapped)座標で出力します。
Enable Double Precision
倍精度版のGromacsのバイナリでMD計算およびプリポスト処理を実行します。
Force Field
Generate parameters

メインウィンドウに表示された系に対し、新たに力場パラメータをアサインしトポロジファイル(topファイル)を作成します。

Force field
(General)

タンパク質、水分子以外の分子の力場を指定します。 内部では、GAFF, OPLS/AA-Lの場合は acpype が、Dreidingの場合は内製プログラムが使用されます。 Dreidingの設定は polymer/dreiding.lib.txt に書かれています。

Exception

特定の分子に対し、(General)にて選択した力場を使わず、ユーザが指定するLJパラメータを割り当てます。 サブウィンドウの左の欄にてLJパラメータを指定したい分子にチェックを入れ、右の欄でLJパラメータを入力します。

注釈

例えば固液界面系において固相の原子にLJパラメータを割り振りたい時などに使用します。

(Protein)

タンパク質の力場を指定します。ここで、PDBやgroフォーマットにおいてアミノ酸残基の名前が割り当てられている原子がタンパク質として認識されます。内部的には gmx pdb2gmx が使用されます。

警告

残基名を含まないファイルから分子構造を読み込んだ場合は本機能を使用できません。

(Water)
水分子の力場を指定します。 溶媒を配置/セルを構築 で選択した水モデルを指定する必要があります。内部的にはCygwinにインストールされたGromacsのトポロジのライブラリからパラメータを取得します。
Charge
Assign charges

acpype により算出する電荷を用いてトポロジファイルを作成します。 Method にはその方法を指定します。

警告

ポリマーの場合は acpype による電荷の算出に時間がかかるため、あらかじめポリマービルダを用いて系を作成し、 Use User-defined Charge にチェックを入れてください。

Use user-defined charge

メインウィンドウ上で設定されている各原子の点電荷の値を用いてトポロジファイルを作成します。

注釈

メインウィンドウ上で設定されている点電荷の値は、 表示ボタンエリア のアノテーションボタンから User Charge などを選択するか、.mol2形式で保存し テキストエディタで開く で開くことにより確認できます。

Add [position_restraints] for protein
タンパク質が存在する場合は Advance タブにおける -POSRES で位置を拘束するための情報( [position_restraints] セクション)をトポロジファイルに書き込みます。タンパク質が存在しない場合は無視されます。
Add [position_restraints] for selected atoms
ユーザが指定する分子に対し、 Advance タブにおける -POSRES で位置を拘束するための情報( [position_restraints] セクション)をトポロジファイルに書き込みます。 例えば固液界面系に於いて固相を固定する場合などに使用します。
Add [distance/angle/dihedral_restraints] for selected atoms
ユーザが指定する分子に対し、 Advance タブにおける -POSRES で距離・角度・二面角を拘束するための情報をトポロジファイルに書き込みます。
Dump Now

現在の設定に基づき、トポロジファイルを生成します。

注釈

  • Load from Existing File を選択しない場合はソルバの実行時に自動的にトポロジファイルが生成されるため、この操作は必須ではありません。
  • トポロジファイルをエディタ等で編集してカスタマイズしたい場合は、本機能を使用して保存した上で、 Load from Existing File にて選択してください。
Load from existing file/Use parameters in displayed file

既に存在しているトポロジファイルを用いてMD計算を実行する場合に選択します。 LAMMPSの場合は、メインウィンドウで既に存在しているdataファイルを用いてMD計算を実行する場合に選択します。

Edit
選択されたトポロジファイルをテキストエディタで編集する。
Generate Simulation Cell
メインウィンドウにおいてシミュレーションセルが定義されていない場合のみ設定が有効となる。チェックが入っている場合は、メインウィンドウに表示された分子の周囲に Distance で指定された距離だけ離れた場所にシミュレーションセルを自動発生させる。

6.11.2. Gromacs実行

Gromacsを実行します。 状況に応じて実行方法が異なります。

  • (デフォルト) Extending Simulation にチェックがなく、 Force Fieldタブ ‣ Generate parameters にチェックが入っている場合
    座標ファイル(拡張子:gro)とトポロジファイル(拡張子:top)を新規に生成してからジョブを開始します。
  • Extending Simulation にチェックがなく、 Force Fieldタブ ‣ Load from existing file にチェックが入っている場合
    メインウィンドウで開かれている座標ファイル(拡張子:gro)と、 Load from existing file のところで指定したトポロジファイル(拡張子:top)を使用してジョブを開始します。
  • Extending Simulation にチェックがある場合
    メインウィンドウで開かれている座標ファイル(拡張子:gro)に紐づけられた作業ディレクトリの中にある座標ファイル( gmx_mdrun_tmp.gro )とトポロジファイル( gmx_tmp.top )を用いてジョブを開始します。

実行に伴い以下のファイルが生成されます。 例として入力ファイルが water.gro の時のファイル/フォルダ名を併記しています。

種類 説明
outファイル
water.out
water.sh の標準出力のテキストファイルです。
shファイル
water.sh
Gromacsとそのプリ・ポスト処理を実行するための
シェルスクリプトです。
batファイル
water.gro.bat
water.sh を実行するためのバッチファイルです。
作業ディレクトリ
water_gmx_tmp\
作業ディレクトリです。

作業ディレクトリには以下のファイルが生成されます。 ここでは主要なファイルのみ示しています。

種類 説明
input.gro
新規ジョブの場合は、実行時に指定したgroファイルが
コピーされたものです。
継続ジョブの場合は、前のジョブのファイルとなります。
gmx_tmp.top
新規ジョブの場合は、実行時に指定したtopファイルが
コピーされたものです。
継続ジョブの場合は、前のジョブのファイルとなります。
gmx_tmp.mdp
計算条件を指定するファイルです。
gmx_tmp_mdrun.tpr
gro, top, mdpファイルから生成する
mdrunの入力ファイルです。
gmx_tmp_mdrun.ndx
結果処理のためのインデックスファイルです。
gmx_tmp_mdrun.edr
温度・圧力・エネルギー等が納められた
エネルギーファイルです。
gmx_tmp_mdrun.gro
最終構造のgroファイルです。
gmx_tmp_mdrun.trr
トラジェクトリファイルです。
gmx_tmp_mdrun.xtc
圧縮されたトラジェクトリファイルです。
gmx_tmp_mdrun.log
mdrunのログファイルです。

ヒント

作業ディレクトリ

  • 作業ディレクトリとは、メインウィンドウで開かれているファイルの名前に接尾辞を加えた名前のフォルダです。

    • 接尾辞はソルバの種類により変わります。
    • 例えばGromacsの場合は、メインウィンドウで開かれているファイルが aaa.gro で、接尾辞が _gmx_tmp の場合、作業ディレクトリの名前は aaa_gmx_tmp となります。
  • メインウィンドウで開かれているファイルと同じ階層に置かれている必要があります。

  • 継続ジョブの時も同名の作業ディレクトリで処理が流れますが、デフォルトでは継続ジョブの実施直前に、直前のジョブの作業ディレクトリのバックアップが作成されます。

    • バックアップの名前は、重複する名前が存在しない範囲で一番小さい番号が付いたものになります。例えば、作業ディレクトリが aaa_gmx_tmp のときは aaa_gmx_tmp1 となります。
    • 番号が付いていないディレクトリが常に最新のものとなります。

ジョブは Winmostar Job Manager を通じて実行されます。

6.11.3. ログを表示 (out)

Gromacs実行時のシェルスクリプトの標準出力( *.out )をテキストエディタで開きます。

6.11.4. ログを表示 (log)

gmx mdrun のログファイル( *_gmx_tmp\gmx_tmp_mdrun.log )をテキストエディタで開きます。

6.11.5. アニメーション

groファイルとtrrファイルを選択し、MD計算のトラジェクトリをアニメーション表示します。

メインウィンドウのファイル名は変化しません。

アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。

6.11.6. エネルギー変化

Gromacsが出力したedrファイルを選択し、エネルギー、温度、圧力などの各種熱力学量のグラフを表示します。内部的には gmx energy コマンドが実行されます。

サブウィンドウの操作方法は Energy Plotウィンドウ を参照してください。

6.11.7. 最終構造を読み込み

*_gmx_tmp\gmx_tmp_mdrun.gro を開きます。

本機能を使うとメインウィンドウのファイル名は変化しません。

6.11.8. 連続ジョブ設定

Gromacsを連続実行するための設定を行います。プリセット以外の設定で実行したい場合は、あらかじめ実行したい計算条件を キーワード設定 にて入力し Save ボタンでgmxset形式で保存してください。

6.11.9. 連続ジョブ実行

連続ジョブ設定 の内容に基づきGromacsを連続実行します。

6.11.10. 動径分布関数

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、動径分布関数を表示します。 内部的には gmx rdf コマンドが実行されます。 動径分布関数は Reference GroupTarget Group の間でを計算されます。

Definition
Atom
計算対象を原子座標にします。
Center of geometry
計算対象を分子の幾何平均座標にします。
Center of mass
計算対象を分子の重心位置にします。
Output
RDF
動径分布関数を計算します。
Cumulative Number RDF
積算配位数を計算します。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.11. 平均二乗変位

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、平均二乗変位と自己拡散係数を表示します。 内部的には gmx msd コマンドが実行されます。

Diffusion Constant
gmx msd コマンドを使用して時間-平均二乗変位のグラフの傾きから計算された自己拡散係数を表示します。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.12. 散乱関数

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、散乱関数を表示します。 内部的には gmx saxs コマンドが実行されます。

Interval
散乱関数の計算に用いるスナップショットを取得する間隔を指定します。 小さくしすぎると膨大な計算が必要となるため注意が必要です。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.13. 速度相関/振動スペクトル

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、速度相関関数および振動スペクトルを表示します。 内部的には gmx velacc コマンドが実行されます。

Velocity Autocorrelation
速度相関関数を出力します。
Vibration Spectrum
振動スペクトルを出力します。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.14. 比誘電率

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、比誘電率を表示します。 内部的には gmx dipoles コマンドが実行されます。

Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.15. 粘度

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、粘度を表示します。 内部的には gmx tcaf コマンドが実行されます。

Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.16. 密度分布

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、密度分布を表示します。 内部的には gmx density コマンドが実行されます。

Group
ここでチェックを入れた成分について密度分布が出力されます。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.17. Hildebrand溶解度パラメータ

Gromacsが出力したedr, groファイルから、Hildebrand溶解度パラメータを算出します。気相と液相それぞれの計算結果が必要です。 Hildebrand溶解度パラメータの算出に必要な凝集エネルギー、密度(比体積)、圧縮率の取得には、 gmx energy コマンドが実行されます。

6.11.18. χ/DPDパラメータ

Gromacsが出力したedr, groファイルから、χパラメータ・DPD aijパラメータを算出します。2つの成分の気相と液相それぞれの計算結果が必要です。 内部的には Hildebrand溶解度パラメータ で計算した値を用います。

6.11.19. トラジェクトリを編集

Gromacsが出力したtrrまたはxtcファイルのトラジェクトリデータについて、間引き、回転、空間分布関数の算出などの操作を行います。 内部的には gmx trjconv コマンドが実行されます。 Execute ボタンで処理を開始します。

Output interval
トラジェクトリを間引いて何フレームごとに出力するか指定します。
Postprocess
処理後の動作を指定します。 Spatial distribution function を選択した場合は gmx spatial を使います。
Target group
出力するグループを指定します。
Rotate and Trans
Reference group で指定したグループが固定されるよう:guilabel:Target group で指定したグループを回転・並進移動させます。
Reference group
Roate and Trans におけるrefernceを指定します。
Group for SDF
Postprocess にて Spatial distribution function (SDF)を選択した際に計算されるSDFをどのグループに対し計算するか指定します。

6.11.20. ndxファイルにグループを追加

結果解析したい原子をメインウィンドウでグループ選択し、本機能を選択して既存のndxを選ぶと、グループ選択された原子のグループがndxファイルに新たに追加されます。

6.11.21. RMSD

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、RMSD(主にタンパク向け)を表示します。 内部的には gmx rms コマンドが実行されます。

Group
ここでチェックを入れた成分について結果が出力されます。通常は Backbone を選択します。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.22. 慣性半径

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、回転半径(主にタンパク向け)を表示します。 内部的には gmx gyrate コマンドが実行されます。

Group
ここでチェックを入れた成分について結果が出力されます。通常はBackboneを選択します。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.23. Ramachandoranプロット

Gromacsが出力したtrr, tpr, ndxファイルを選択し、各アミノ酸残基のRamachandoranプロットを表示します。 内部的には gmx rama コマンドが実行されます。

Residue
ここで選択した残基のRamachandoranプロットが出力されます。
Target Group
ここで選択したグループに属する分子・原子に対して物理量を計算します。開いたndxファイルに書かれているグループがここで選択可能です。
Reference Group
動径分布関数などの原子対について計算する物理量の場合だけ出現します。 Target GroupReference Group の間で物理量が計算されます。
Create Group

groファイルに書かれている原子名から新たなグループを登録します。

メインウィンドウでグループ選択されている原子をグループとして定義する場合は MD ‣ Gromacs ‣ ndxファイルにグループを追加 を使用してください。

Create Group ウィンドウでは、 Extracted Atom Names にチェックを入れて New group Name を入力し Create ボタンを押すと、ndxファイルにグループが追加されます。 Close ボタンを押すと Target GroupReference Group に追加したグループが追加されます。

First Frame
トラジェクトリを読み込む際の開始時間をps単位で指定します。
Draw
結果解析用プログラムを実行してグラフを表示します。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.11.24. ER法実行

エネルギー表示(ER)法を使用して溶媒和自由エネルギーを計算します。

  1. 事前に以下3つ系の計算をGromacsで実行し、それぞれの作業ディレクトリを残しておきます。エネルギー最小化などの平衡化を終えた後の、平衡状態のデータのみ使用します。
    1. Solution system(溶質分子1個+溶媒分子多数)
    2. Solvent system(溶媒分子多数)
    3. Solute system(溶質分子1個)
  2. ERmod実行 タブを選択します。
  3. Solution タブでA. Solution systemの作業ディレクトリをドラッグアンドドロップします。または、xtc, log, topファイルそれぞれの欄で ... ボタンを押して個々のファイルを読み込みます。
  4. 同様に Solvent タブでB. Solvent systemのファイルを選択します。
  5. 同様に Solute タブでC. Solute systemのファイルを選択します。xtcファイルを指定した場合は、溶質がフレキシブルモデル、pdbまたはgroファイルを指定した場合は、剛体モデルとして扱われます。
  6. 必要に応じて、 Options ボタンから自由エネルギー計算時のMPI並列数など指定します。
  7. 自由エネルギー計算をローカル環境で実施する場合は Start ボタンを押します。結果を出力するフォルダを指定すると計算が始まります。Cygwin上で ermod が流れます。
  8. リモート環境で実施する場合は一旦 Close ボタンを押します。そして リモートジョブ にて Programermod を指定し実行します。リモートサーバ上では、 ermod および slvfe コマンドに $PATH が通っている必要があります。(リモートサーバへのERmodのインストールは こちら を参照)計算が終わり、 リモートジョブget ボタンを押すと、 winmostar.exe が置かれたフォルダ以下に ermod_remote_* というフォルダが生成され、結果がリモートサーバから転送されます。
  9. 自由エネルギー計算終了後、結果の表示するには ER法結果読み込み メニューを選択します。

6.11.25. ER法結果読み込み

ER法実行 にて処理した結果を表示します。選択後、 ER法実行 にて指定した出力先フォルダを指定してください。 Unit にてエネルギーを表示する際の単位を指定できます。 Log ボタンを押すと、ERmodのログファイルを表示します。

6.11.26. BAR法実行

Bennett Acceptance Ratio(BAR)法を使用して溶媒和自由エネルギーを計算します。

  1. Gromacsを用いて溶液系(溶質分子1個+溶媒分子多数)の計算を実施します。平衡化の各ステップおよび平衡状態の計算の全ての作業ディレクトリを残しておきます。
  2. BAR法実行 を選択します。
  3. Integration Path タブにて、溶質が溶媒と相互作用していない状態(λ=0)から相互作用している状態(λ=1, Full Coupling)をどのような経路で積分するか指定します。 Insert ボタン左の2つの欄にファンデルワールスポテンシャルのカップリング係数(左)とクーロンポテンシャルのカップリング係数(右)を入力し Insert を押すと、積分経路が追加されます。 Delete を押すことで、積分経路を削除できます。
  4. Procedure タブにて、積分経路上の各状態のシミュレーション手順を指定します。あらかじめ用意した溶液系(λ=1)の平衡化の手順を、フォルダ単位で指定します。 Add ボタンまたはリストへのドラッグアンドドロップで、フォルダを追加します。 Delete ボタンでフォルダを削除します。リストの最後の手順で実施された計算が、自由エネルギー計算に用いられます。
  5. Start を押すと、各λのMD計算が実行されます。
  6. 各λのMD計算の終了後、結果の表示するには BAR法結果読み込み を選択します。

6.11.27. BAR法結果読み込み

BAR法実行 にて処理した結果を表示します。メニュー選択後、BAR法実行 にて指定した出力先フォルダを指定してください。バックグラウンドで gmx bar が実行され、結果が表示されます。 Unit にてエネルギーを表示する際の単位を指定できます。 Log ボタンを押すと、 gmx bar のログファイルが表示されます。表示されるグラフは、溶質が溶媒と相互作用していない状態(λ=0)から相互作用している状態(λ=1)の間で自由エネルギーが変化する様子を示しています。