6.16. 固体メニュー

第一原理(バンド)計算に関するメニューです。

固体メニューの機能を利用するにはSolidパックが必要です。

6.16.1. 結晶ビルダ

結晶構造を作成します。主に以下の目的で使用します。

  • 空間群、格子定数、非対称要素を入力して結晶構造を作成します。
  • 結晶ビルダ上でCIFファイルを開きa, b, c軸を交換します。
  • 非整数のoccupancyを含むCIFファイルを開き、原子を割り当てる。
Fileメニュー
New
結晶構造を新規作成します。
Open
CIFファイルを開きます。
Save As
結晶ビルダに表示されている結晶構造をCIF形式またはXYZ形式で保存します。
Save As P1 CIF
チェックした場合はCIF形式で保存する際にP1で保存します。
Editメニュー
Exchange Axis
軸(a, b, c)と非対称要素の座標(x, y, z)を交換します。詳しくはInternational Tables vol.Aをご覧ください。
Discard symmetry
対称操作を破棄し、空間群はP1とします。この時、既存の対称操作によって再生された全ての対称要素は非対称要素として認識されます。
Assign Atoms to Non-Integer Occupancy Sites
読み込んだCIFファイル内で定義された占有率の項目(_atom_site_occupancy)を元にして、各サイトに対してランダムな原子を発生させます。占有率に応じたスーパーセルを作成したい場合、リピート機能を用いて十分に大きなスーパーセルを作成してからこの機能を使用してください。
Viewメニュー
Show Multi-View
三面図による描画を行います。三面図では左上の画面のみが自由回転に対応しており、残りの三方向のカメラは結晶のa, b, c軸に固定されるため回転しません。
Always View Center
チェックが付いている場合は、常に重心に注視点を合わせます
Orbit/Roll
回転方法を指定します。
Orbit
自由回転を行います。
Roll around a-, b-, c-axis
a, b, c軸回りの回転を行います。
Show Bond
結合を表示します。
Show Element Name
元素記号を表示します。
Show Atoms on Boundary in Duplicate
境界上の原子を表示します。
Show Unit Cell
単位格子を表示します。
Make Replicated Atoms Transparent
対称操作によって生じた原子を透明表示します。
Enable 3D View
OpenGLを用いて描画します。
Crystal System
結晶系を選択します。
Space Group
空間群を番号もしくはHermann–Mauguin記号から選択します。
Lattice Constant
格子定数を設定します(選択した空間群によって入力できるフィールドが変わります)。
Add
非対称要素となる原子を追加します。
Remove
リスト上で選択した非対称要素となる原子を削除します。
Atom
元素記号を入力/修正します。
X, Y, Z
原子サイトを分率座標(fractional coordinate)で設定します。
OK

作成した結晶構造をメインウィンドウに読み込みます。

読み込みを取り消したい場合は、メインウィンドウで 編集 ‣ 元に戻る をクリックしてください。

Cancel
結晶ビルダで入力した構造を破棄しメインウィンドウに戻ります。

6.16.2. スーパーセルを作成

メインウィンドウで表示されているセルを複製しスーパーセルを作成します。

a , b , c に繰り返し数を入力し、 OK ボタンをクリックします。

Viewメニュー
結晶ビルダ と同じです。

6.16.3. 表面を切り出し

ミラー面の指定して単位格子の再定義します。

スラブモデルを作成する際は、この機能を実行した後に 真空層を挿入 を実行してください。

Viewメニュー
結晶ビルダ と同じです。
Step 1/2 Cutting
Cleave Plane
表面のミラー指数(h k l)を定義します。
Offset
ユニットセルの上端から下端までの相対位置(百分率)により、表面の位置を指定します。
Next >>
Step 2/2 Transform Unit Cell に進みます。
Step 2/2 Transform Unit Cell
View Configuration
描画範囲を設定します。
Lattice Choice

格子の定義を選択します。

Manual
原点、a軸、b軸、c軸上の原子を Set ボタンで指定します。
Filter (Ortho)
Lattice の中から選択します。 Lattice には長方形状の候補のみ出現します。
Filter (All)
Lattice の中から選択します。
Lattice
格子の定義の選択肢が表示されます。
Filter
Lattice の絞り込み条件を指定します。
OK
処理を実行します。

6.16.4. 真空層を挿入

結晶構造の上下に真空層を挿入し、スラブモデルの構築します。

Viewメニュー
結晶ビルダ と同じです。
Axis
真空層を挿入する方向をX, Y, Z軸から選択します。
Bulk
元のセルの厚さをÅ単位で示します。(表示のみ)
Vacuum
真空層の厚さをÅ単位で定義します。
Total Width
BulkVacuum の合計値を示します。(表示のみ)
Automatically shift to center
このチェックボックスがチェック状態のとき、元の結晶構造はスラブモデルの中心に固定されます。チェック状態でないとき、Shift機能が利用できるようになります。
Shift
拡張されたセル内での表面構造の位置を指定できます。エディットボックス内の数値は基準面の位置を分率座標で示しています。
Reference Plane
基準面の位置を指定します。Baseのとき、基準面は結晶構造の底面になります。Centerのとき基準面は結晶構造の中央となります。
Terminate dangling bonds with hydrogen atoms
真空に接する面において、ダングリングボンドを水素でキャップします。官能基で修飾したい場合は、本機能にチェックを入れた後、メインウィンドウに戻ってから フラグメントで置換 を使用して水素を任意の官能基に置換してください。
OK
処理を実行します。

6.16.5. クラスタを作成

結晶構造からナノクラスターを切り出します。

元のユニットセルの原子は不透明、ユニットセル外の原子は半透明で表示されます。

Viewメニュー
結晶ビルダ と同じです。
Center
クラスタの中心点を分率座標で指定します。グラフィック画面上の原子を選択した状態で、Setをクリックすると選択した原子位置を中心点に指定できます。 Cluster Radius クラスターの半径をオングストローム単位で指定します。
Hydrogen
真空層の厚さをÅ単位で定義します。
OK
処理を実行します。

6.16.6. 格子を変換

メインウィンドウで表示されているセルについて、プリミティブセル-コンベンショナルセル間の変換を行います。

6.16.7. Quantum ESPRESSO

固体 ‣ Quantum ESPRESSO メニュー を参照してください。

6.16.8. OpenMX

固体 ‣ OpenMX メニュー を参照してください。

6.16.9. FDMNES

固体 ‣ FDMNES メニュー を参照してください。

6.16.10. BoltzTraP

固体 ‣ BoltzTraP メニュー を参照してください。

6.16.11. Phonopy

固体 ‣ Phonopy メニュー を参照してください。