12. 既知の不具合

12.1. Winmostarを管理者権限で起動するとドラッグアンドドロップでファイルを開けない。

現行のWinmostar (Winmostar V.8)では、Winmostarを管理者権限で起動するとドラッグアンドドロップでファイルを開けません。将来的に修正予定ですが、作業時期は未定です。(2018年5月24日報告)

12.2. Windowsの"ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用"オプションを有効にすると一部のソフトが動作しなくなる。

Windows 10において、[コントロールパネル]-[時計と地域]-[日付、時刻、数値形式の変更]-[管理]-[システムロケールの変更]-[ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用]にチェックが入っていると、各種リモートジョブの実行、LAMMPSの実行、FDMNESの実行に失敗するという報告がありました。ファイルがBOM付で出力されることによる不具合です。問題が発生したタイミングでWinmostarを順次対応させていますが、他の機能で同様の問題が発生した場合はご連絡ください。(2018年5月25日報告)

12.3. Animation、Submit Jobなどの一部のサブウィンドウを開き、閉じた後にまた開こうとしても出現しない。

ごく一部の環境で確認されています。出現しない場合は、Alt+スペースキーを押すと[元のサイズに戻す][移動][サイズ変更]...などのメニューが出現するので、[移動]を選択しドラッグ操作するとウィンドウが再度出現します。あるいは、Winmostarを再起動することで一旦解消します。現在、よりよい対処方法を検討中です。(2018年6月14日報告)

12.4. アニメーション操作エリア下部のグラフ表示が崩れる。その他UIの表示が崩れる。

デスクトップのテキストやその他の項目のサイズをデフォルト値(100 %)から変更している場合は、表示が崩れます。 Windows8の場合は[コントロールパネル]-[デスクトップのカスタマイズ]-[ディスプレイ]-[すべての項目のサイズを変更する]を[小-100%(規定)]に設定してください。 Windows10の場合は[Windowsの設定]-[システム]-[ディスプレイ]-[カスタムスケーリング]を「100」に設定してください。 (2018年6月26日報告)

12.5. ローカルマシンのジョブが流れているコンソールウィンドウ内でテキストを範囲選択すると、Job Manager上でそのジョブが終了と認識されてしまう。

Windows10のコンソールウィンドウ上で、実行中のジョブのログのテキストを範囲選択すると、ジョブが終了したと認識されます。これにより不具合が生じる場合は、出力されるログファイルを直接テキストエディタで開き、そこでテキストを範囲選択、コピーなどしてください。範囲選択後、処理が中断する場合は、Enterキーを押すと処理が再開します。Windows10以降で発生します。 (2018年7月20日報告)

12.6. ローカルマシンでGromacsを実行中にGromacsがフリーズする。

ごく一部のマシン上で、ローカルマシンでGromacsを実行中にGromacsがフリーズします。MD計算の最中に発生し、標準出力の内容が変化しなくなります。フリーズする箇所に再現性がありません。このような場合は、Gromacsキーワード設定の「# of Threads」を1にすると回避できます。無論処理は遅くなるので、本格的な計算を流したい場合はリモートサーバを利用したリモートジョブ投入機能をお使いください。また、WinmostarではGromacsと似た操作方法でLAMMPSを使用できますので、LAMMPSをお使い頂くという選択肢もございます。 (2020年12月4日報告)

12.7. RISM対応版のQuantum ESPRESSO使用時に、メインウィンドウのキーワードが変更されていないにも関わらず変更されたと表示されることがある。

constant-mu計算時(lfcpopt = .True.)に、fcp_muの値が更新されたと誤判定されます。実際には値が変更されるわけではないため、そのまま使用しても問題ありません。 (2019年6月2日報告)

12.8. Gromacsが出力するIsothermal Compressibility(等温圧縮率)、Adiabatic Bulk Modulus(断熱体積弾性率)の単位が間違っている。

gmx energyのログに、Isothermal Compressibilityの単位が「J/m^3」と書かれていますが、正しくは「m^3/J」です。同様に、Adiabatic Bulk Modulusの単位は正しくは「J/m^3」です。 (2020年6月29日報告)

12.9. Gromacsのトラジェクトリを読み込んだ構造または、最終構造において、本来繋がっているべき分子がバラバラに表示される。

Gromacs本体の不具合に由来しています。長時間の計算ほど発生する可能性が高くなります。ただし、周期境界を考慮すると正しい原子配置となっているため、そのMD計算自体に問題はありません。特に界面ビルダで2つの系を接合するときなどに問題が生じます。バラバラになった分子を元に戻す場合は、2つあります。1つ目の方法は、[MD]-[Gromacs]-[力場を割り当て]から[トポロジファイルに書かれたパラメータを使用]を選択し、対象とするデータのtopファイルを選択します。2つ目の方法では、まず[編集]-[周期境界条件に基づき原子を再配置]において、[セルの内側に原子単位で再配置]をクリック→[適用]ボタンをクリック→[原子単位で再配置された構造を元に戻す]をクリック→[適用]ボタンをクリック→[OK]ボタンをクリックとしてください。ただし、計算した時と同じセルでこの操作を行う必要があるため、界面ビルダなどを使用する前に実行してください。 (2020年12月25日報告)

12.10. [ファイル]-[インポート]-[SMILES]でSMILES文字列を読み込んだが、意図通りの構造が読み込まれない。

SMILESを読み込むプログラムは世の中に何種類かあり、それぞれ若干の実装の違いにより生成される分子が変化してしまいます。 WinmostarではSMILESの読み込みにOpenBabelまたはBalloonを使用しており、[Import SMILES]ウィンドウにおいて実際にどちらを使うか選択することができます。

例えばOpenBabelでは"C[C@@H]1CCCC[C@@H]1C"(本来ならcis-1,2-Dimethylcyclohexane)がtrans-1,2-Dimethylcyclohexaneとして認識されました。 (2020年1月29日報告)

12.11. Winmostarの処理中にWindows(エクスプローラ)上で直接作業ディレクトリ、作業フォルダを削除するとWinmostarがフリーズする。

処理が終了している時またはWinmostarが終了している時に削除してください。 (2021年12月24日報告)

ヒント

作業フォルダ

  • 作業フォルダとは、メインウィンドウで開かれているファイルの名前に接尾辞を加えた名前のフォルダです。

    • 接尾辞はソルバの種類により変わります。

    • 例えばGromacsの場合は、メインウィンドウで開かれているファイルが aaa.gro で、接尾辞が _gmx_tmp の場合、作業フォルダの名前は aaa_gmx_tmp となります。

  • メインウィンドウで開かれているファイルと同じ階層に置かれている必要があります。

  • 継続ジョブの時も同名の作業フォルダで処理が流れますが、デフォルトでは継続ジョブの実施直前に、直前のジョブの作業フォルダのバックアップが作成されます。

    • バックアップの名前は、重複する名前が存在しない範囲で一番小さい番号が付いたものになります。例えば、作業フォルダが aaa_gmx_tmp のときは aaa_gmx_tmp1 となります。

    • 番号が付いていないディレクトリが常に最新のものとなります。

12.12. Winmostar Viewerでサイズが大きいcubeファイルを開けない。

VESTAやVMDなど他のcubeファイル可視化ソフトをご利用ください。なおWinmostarの[ツール]-[環境設定]-[基本]-[Cubeファイルの表示に外部ビューワを使用]にチェックを入れ、[プログラムパス]-[Cube Viewer]にcubeファイル可視化ソフトを指定することで、Winmostar Viewerの代わりにそれらのソフトを直接起動することができます。 (2022年10月21日報告)

12.13. Windowsのディスプレイ拡大率が100%以外の時にWinmostarのツールバー、ツールボタンの表示が崩れる。

100%に変更して使用してください。Windows10では、設定→システム→ディスプレイ→拡大縮小とレイアウト、から変更できます。ディスプレイの表示が小さくて文字が読みにくい場合は、画面解像度を落としてください。(なお、Windowsの当該機能はWinmostar以外の様々なアプリケーションでも問題となっています。) (2022年10月28日報告)

12.14. LAMMPSでポテンシャルファイルを用いて計算した際に、一部条件下で計算終了後の構造ファイルにおける元素の認識に失敗する。

例えばSn結晶に対しNISTリポジトリで入手できるMEAMポテンシャルで計算すると、write_restartコマンドで出力するファイルにおいて質量が「118.7107」であるべきところ「118」と出力されます。Winmostarでは質量の値から元素を認識しており、認識できない場合CGAなどの粗視化原子として判定します。これはLAMMPSの不具合ですので(少なくとも20160309版で確認)、最終構造のdataファイルにおいてMassesセクションの質量をテキストエディタ等で修正してください。 (2022年12月8日報告)

12.15. Windows11でジョブマネージャからStopメニューでジョブを終了できない。

計算ウィンドウを閉じるかタスクマネージャ等でプロセスを終了させてください。 NWChemの場合、ジョブマネージャのCPU使用率が多くなり終了もできなくなるという症状も一部報告されています。 (2023年5月20日報告)