12. よくある質問・トラブルシューティング

12.1. 購入に関して

12.1.1. Q. 代金の支払方法を教えてください。

A.
【法人の場合】
以下の条件での後払いとなります。

支払方法: 当社指定銀行口座への現金振込
支払期日: 納品翌月末日

【個人の場合】
PayPalにてクレジットカードでお支払いください。

12.1.2. Q. 当社から発行される書類の種類を教えてください。

A.
請求書・納品書・見積書を発行いたします。
ただしPayPalの場合のみ、PayPalから領収書を取得してください。
その他の書類を発行希望の際はご相談ください。ただし、内容によりお断りする場合もありますのでご了承ください。

12.1.3. Q. 代理店などエンドユーザ以外が注文する方法を教えてください。

A.
指定代理店をご利用ください。詳細は 価格・購入 をご確認ください。

12.2. ライセンス・ライセンスコードに関して

12.2.1. Q. 特定ユーザライセンスの登録ユーザ変更は可能ですか?

  1. 民間企業・官公庁の場合は不可能です。教育機関の場合は、前回のユーザ変更(初回の変更の場合は購入)から1年以上経過していたら変更可能です。

12.2.3. Q. すでに入力したライセンスコードを変更する方法を教えてください。

A. これから使用したいライセンスコードを ツール ‣ 環境設定 メニューの ライセンスコード に入力してください。<br>
学生の方で、無償版から学生版に切り替えたい場合は、ライセンス登録ページ で学生版にチェックを入れて再度ライセンス登録をしてください。

12.2.4. Q. MACアドレスを表示する方法を教えてください。

A. Windows10の場合は、まず スタートメニュー ‣ Windowsシステムツール ‣ コマンドプロンプト をクリックしてコマンドプロンプトを起動します。次に、コマンドプロンプトのウィンドウで ipconfig /all と入力しEnterキーを押します。様々な情報が出力されるので、その中から「物理アドレス」の行を探してください。その内容がMACアドレスです。

「物理アドレス」行が複数ある場合、Winmostarのノードロックライセンス購入時に申請するMACアドレスは、基本的にどの「物理アドレス」でも大丈夫です。

12.2.5. Q. Winmostarのライセンス料に、Gaussianのライセンス料は含まれていますか?Gaussianのライセンスが付属したWinmostarのラインナップはありますか?

A. Winmostarのライセンス料に、Gaussianのライセンス料は含まれていません。Gaussianのライセンスが付属したWinmostarのラインナップはありません。Gaussianの代理店から別途ご購入ください。

12.3. サポート・保守に関して

12.3.1. Q. 不具合サポートやパッチ提供は受けられますか?

使用規約の内容に基づき実施されます。最新の使用規約はこちら( Winmostar V10 使用規約 )です。

12.3.2. Q. 旧バージョンのサポート・保守はどこまで行われますか?

  1. ご使用中のバージョンのWinmostarに関する、有効な使用規約に記載の内容に基づきます。また、操作方法の簡単な案内は、可能な範囲で対応します。

12.3.3. Q. 製造元と直接連絡取ることはできますか?

  1. 問い合わせフォーム から連絡を取ることができますが、対応の可否は利用規約に基づきます。最新の使用規約はこちら( Winmostar V10 使用規約 )です。 有償サポート を利用することで、より進んだメールでのサポートが可能となります。

12.3.4. Q. 「Winmostar」の呼び方は何ですか?

A. 「ウインモスター」です。Wikipedia等では誤情報が掲載されることがありますが、こちらが正式な呼び方です。

12.3.5. Q. 使用しているWinmostarのアップデート・バージョンアップ・アップグレードは可能ですか?

A. マイナーバージョン(およびリビジョン)の更新については、利用可能期間内であれば何回でも実施可能です。メジャーバージョンの更新については、永久使用権の場合はライセンスの更新が必要で、年間使用権の場合は実施可能です。
例として、「V8.039」については、「8」がメジャーバージョン、「039」がマイナーバージョンを指します。「V9.1.0」については「9」がメジャーバージョン、「1」がマイナーバージョン、「0」がリビジョンを指します。
例えば、Winmostar V9の永久使用権のライセンス取得者は、V9.1.0からV9.1.5やV9.4.4に更新することは可能ですが、V10.0.0に更新することは不可能です。

12.3.6. Q. 質問するときの注意事項はありますか?

A. 計算が上手く流れない等の質問の場合、原則として状況を再現するインプットやアウトプットファイルをお送り下さい。

12.4. ソフトウェアの機能・利用について

12.4.1. Q. Winmostarは社内外のサーバやクラウドに接続しますか?LAN接続していない状態でも利用可能ですか?

A. リモートジョブを使う場合のみ接続します。デフォルトの操作方法では、一切外部ネットワークに接続することはありません。Winmostarの動作に、ネットワーク接続は必須ではないため、オフライン環境でも使用することができます。ネットワークに接続していないPCにインストールする場合は、 インストール の手順で登場する各種ソフトウェアを予め他のPCでダウンロードし、ネットワーク接続していないPCにUSBメモリなどでコピーしたうえで、 インストール の手順に従いインストールを行ってください。

12.4.4. Q. Winmostarそのものに各種計算用ソフトがインストールされていますか?

A. MOPAC、CNDO/SのみWinmostarにインストールされています。それ以外のソフトは、ライセンスの関係上Winmostarには同梱されておらず、別途インストールする必要があります。多くのソフトは無料でインストール可能で、その手順は インストール で紹介されています。

12.4.5. Q. Winmostarはクラウド上で計算させていますか?

A. クラウド上で計算させることも可能ですが、させないことも可能です。デフォルトではクラウドを利用せず、WinmostarをインストールしたWindows PC上で計算をさせます。

12.4.6. Q. WinmostarはGPU計算に対応していますか?

A. GPU計算に対応していますが、デフォルトではGPUを使わない設定になっています。GAMESS, Gaussian, Gromacs, LAMMPS, Quantum ESPRESSOがGPUに対応していますが、動作確認および設定作業は有償での対応となります。

12.4.7. Q. IntelとAMDのどちらのCPUの方が動作に適していますか?どちらがお勧めですか?

A. 一般に、シミュレーションにおいてどちらが優れているということはありません。

12.4.8. Q. Winmostarを使って並列計算は可能ですか?

A. 可能です。詳細は、各ソルバのキーワード設定ウィンドウのページをご確認ください。

12.5. ソフトウェア動作全般に関して

12.5.1. Q. 思ったようにモデルを作成できません。計算できません。動作しません。

  1. まず、以下の基礎的なチェックを行ってください。
  • インストール時の注意事項 を確認する。
  • 使用中のWinmostarが無償版、学生版、プロフェッショナル版、プロフェッショナル版(トライアル)のいずれに該当するか確認し、問題を起こしている機能がその版で使用可能か 機能表 を見て確認する。
  • 使用中のセキュリティ対策ソフトの活動記録を確認し、Winmostarおよびcygwin_wmのインストールフォルダの下のアプリケーションの活動が妨害された記録がないか確認する。
  • Winmostarを最新版にアップデートし(使用中のバージョンと共存させることが可能)、 既知の不具合よくある質問・トラブルシューティング に類似する状況がないか確認する。
  • 保存するファイルやそれを含むディレクトリ(上位階層全てを含む)の名前に、日本語、全角文字などのマルチバイト文字や特殊記号が含まれている場合は、一部ソルバで不具合が出ることがあるため半角英数のみとなるようにする。
  • 実行した処理で何かしらログが出力されているか作業フォルダを確認し、ログの内容を確認する。
  • 計算が開始されたが計算結果がおかしいと感じた場合は、メインメニューで使用したソルバのメニューから「ログを表示」などをクリックし、ログの内容を確認する。
  • 計算の不具合については、各種ソルバのバージョンが、Winmostarのインストールガイドで推奨しているバージョンと同じであるか確認する。(特にGromacs, LAMMPS, Quantum ESPRESSO)
次に、メモ帳などで以降の作業の記録を取れるようにしてください。不具合の再現方法が判明した場合、作業の記録と一緒にご報告頂くと比較的短時間で修正できることがあります。
そして、Winmostarの チュートリアル のうち、これから使いたいソルバの基礎編チュートリアルをトレースしてください。
基礎編チュートリアルのトレースに失敗する場合は、以下を試してください。
  • 誤操作でないことを確認するため再度トレースする。
  • 並列実行している場合は、シリアル実行(並列数1)に切り替える。
  • Winmostarを再起動する。
  • OSを再起動する。
  • セキュリティ対策ソフトで、Winmostar、cygwin_wmのインストールフォルダ、およびソルバ(MPIを含む)が監視対象外に設定する。
  • cygwin_wmを使用している場合は、 ヘルプ ‣ cygwin_wmを診断 でcygwin_wmの簡易的な診断を実行する。
  • Winmostar, cygwin_wmおよび使用したソルバを再インストールする。
  • 他のPCで試す。

次に、最終的に計算したいものに極力近いと思われるチュートリアルをトレースしてください。 それに成功したら、最終的に計算したいものに少しずつ寄せるように計算条件を変更し(原子数、スーパーセルのサイズ、重合度、元素の種類、相の数など)、問題発生箇所を特定したら以下を試してください。

12.5.2. Q. 「ERROR: I/O error 32」と表示され処理に失敗します。

A. 処理に関わるファイルがWinmostar以外のアプリケーションまたはプロセスで開かれていてロックされている場合や、削除されている可能性があります。
OSを再起動し他のアプリケーションが開いていない状況でお試しください。

12.5.3. Q. Cygwinを使う処理が異常終了します。/ ツール ‣ cygwin_wmを診断 機能で ... ERROR ... と表示されます。/Cygwinの黒いウィンドウに child_info_fork::abort: ... Loaded to different address: parent ... != child ... などと表示されます。

A. 以下の手順を上から順に一つずつ実行し、その都度、エラーが起きた処理を再実施してください。

  1. 一般的な 一般的な不具合の対処 を実施する
  2. マシンを再起動する
  3. 使用しているcygwin_wmの cygwin1.dll 以外を検索して削除し、マシンを再起動する

警告

  • 同一マシン上にcygwin_wm以外に cygwin1.dll が存在して場合の一部のケースでこの操作が必要です。
  • cygwin1.dll は他にCygwinをインストールしていなくても、各種フリーウエアなどに同梱されていることがあります。
  1. 使用しているマシン上の全てのCygwinが終了している状態で、Windowsの[ファイル名を指定して実行]にて C:\cygwin_wm\bin\ash.exe (cygwin_wmを C:\cygwin_wm にインストールした場合)を実行し、 /bin/rebaseall -v というコマンドを実行しマシンを再起動する。
  2. Windowsセキュリティ開き アプリとブラウザーコントロール から Exploit Protectionの設定 クリックする。そして、 イメージのランダム化を強制する の値を 既定でオフにする既定値を使用する(オフ) に変更する。
  3. セキュリティ対策ソフトを一時的に無効する。
  4. CygwinのFAQ に記載されている不具合を起こしがちなソフトを無効にする。
  5. その他、 Cygwinのfork()関連の失敗に関するFAQ に記載された方法を試す。
  6. Cygwin公式サイト のCygwinを新規にインストールし、そこからターミナル(端末)を起動できるか確認する。

12.5.4. Q. ツール ‣ cygwin_wmを診断 機能で WARNING ... some files are missing と表示されます。

A. cygwin_wmを再インストールしてください。
再インストールしても表示される場合は、セキュリティ対策ソフトを一時的に無効にするか、インストール先・インストーラを監視対象外に指定してください。

12.5.5. Q. ジョブマネージャに登録されたジョブが実行されません。

A. 指定したMPIの並列数がジョブマネージャのMaxCoreの設定より大きいとジョブは実行されません。
MaxCoreの初期値値は実行しているPCのコア数に設定されているはずですが、それが変更されていないか、またはMPIの並列数をそれより多く設定していないか確認してください。
ジョブマネージャを使用しないで実行したい場合は、 ツール ‣ 環境設定 画面の 計算 タブの「MOPACをジョブマネージャで実行」や「その他のソルバをジョブマネージャで実行」のチェックを外します。

12.5.6. Q. Winmostarの各種機能やソルバーの実行など、黒いコンソール画面が出現する機能において、黒いコンソール画面の処理が終わらず先に進みません。

A. 黒いコンソール画面の中をたまたまクリックしてしまうと、Windowsの仕様上そこから処理がペンディングしてしまいます。
コンソール画面のウィンドウがアクティブの状態でESCキーを押すと、処理が再開されます。

12.5.8. Q. ファイルを開いたり、分子をモデリングした際に、結合が出現しなくなってしまった。または、無駄に結合が多く出現するようになってしまった。

A. ツール ‣ 環境設定 ‣ 編集結合判定係数 の値が適切でない可能性があります。デフォルト値に戻すか、1.15程度の値に設定してください。

12.5.9. Q. Windowsのエクスプローラ上で拡張子を表示するにはどうしたらいいですか?

Windows 7の場合:
  • エクスプローラを開く
  • Alt キーを押す
  • ツール ‣ フォルダーオプション メニューの 表示 タブを開く
  • 登録されている拡張子は表示しない のチェックが外れた状態にする
Windows 8, 10の場合
  • エクスプローラを開く
  • 表示 タブを開く
  • ファイル名拡張子 のチェックが付いた状態にする

12.6. 分子のモデリング・系の作成に関して

12.6.1. Q. 化学結合の種類(一重、二重など)を変更する方法を教えてください。

A. 例えば以下に示す方法で変更できます。
1) 編集 ‣ 結合を付加/変更 またはメインウィンドウ上部の 結合を付加/変更 ボタンを複数回押すことで、結合の種類を変更できます。
2) 編集 ‣ 原子/結合の自動調整 ‣ 結合を再生成 を選択すると原子間距離から判定された結合次数で自動的に化学結合の種類が変更されます。予め 編集 ‣ 原子/結合の自動調整 ‣ 簡易構造最適化 により構造最適化しておくと、より妥当に自動変更されることがあります。
3) 小さい分子が一つだけしか表示されていない場合は、MOPAC計算を実行することで、Population解析結果を用いて自動的に結合次数が変更されます。

12.6.2. Q. MD ‣ 溶媒を配置/系を構築 機能を実行すると Error : Failed to solvate. などと表示され処理に失敗します。

---------質問詳細---------

MD ‣ 溶媒を配置/系を構築 を実行した際に generate.log に下記のように出力され処理が正常終了しません。

gmx insert-molecules -try 100 -f gmx_tmp_water.gro -o gmx_tmp_water_tmp.gro -ci mol0.gro -nmol 64
...
set +v
Error : Failed to solvate.

A. 一般的な不具合 の対処と、Cygwinの一般的な不具合 の対処に加え、分子数を減らすか、密度を減らして実行してください。 また、それでも実行できない場合は、内部的に使用しているGromacsの再インストールを、以下の手順で実施してください。

  1. cygwin_wmのインストールフォルダの下の /etc/profile.d/winmostar.sh の中の
source /usr/local/gromacs_sse/bin/GMXRC

または

source /usr/local/gromacs_avx/bin/GMXRC

の行をコメントアウトまたは削除する

  1. Winmostarの ツール ‣ cygwin_wm起動 をクリックし、起動したcygwin上で Winmostar(TM) 用Cygwinインストールマニュアル の「1-2. Gromacs」のインストール手順を試みる
  2. ツール ‣ cygwin_wm起動gmx と実行し GROMACS: gmx, VERSION ... などとGromacsの起動を示すメッセージが表示されたら再ビルドは成功である

分子数が大きい場合(ケースにもよるが10,000程度)は、現在内部処理で使用している gmx solvate の処理の限界となるケースもあるので、 編集 ‣ :menuselection:`編集 ‣ グループ編集 ‣ グループを複製 で分子を並べてください。

将来的には本機能で分子数が大きい場合にも対応予定です。

12.7. ローカルマシンでのMPI・並列実行に関して

12.7.1. Q. MPICHが計算途中で終了します。

---------質問詳細---------
MPICH実行中に、次のようなエラーを表示して計算が途中終了となることがあります。
op_read error on left context: Error = -1
op_read error on parent context: Error = -1
unable to read the cmd header on the left context, Error = -1
unable to read the cmd header on the parent context, Error = -1
Error posting readv, An existing connection was forcibly closed by the remote host.(10054)
connection to my parent broken, aborting.
state machine failed.

A.
このエラーはMPICHがlocalonlyでもネットワークアダプタを使うため、ネットワークアダプタが途中で切れてしまうため発生するエラーです。
しかし初めからネットワークアダプタが切れている場合、MPICHはネットワークアダプタを使用しないため、このエラーは発生しません。
MPICHを用いて長時間の計算を行う場合、ネットワークアダプタを無効にしてから計算を実行して下さい。

12.7.2. Q. LAMMPS, Quantum ESPRESSOのMPI並列実行時に Unable to open the HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\MPICH\SMPD\process\???? registry key, error 5, アクセスが拒否されました。 という警告が表示されます。

A. MPICHがレジストリを書き換えようとするのですが、管理者権限がないので失敗したというメッセージです。
管理者権限でWinmostarを起動すればメッセージは出なくなりますが、メッセージが出ている状態でも計算自体は正常に実行されているので、無視しても問題ありません。

12.8. リモートジョブに関して

12.8.1. Q. 社内や学内のスパコンまたはLinuxサーバにジョブを投げる方法を教えてください。

A. 接続先のコンピュータ固有の環境設定などが必要な場合も、リモートジョブ用のひな形スクリプトを作成することで可能になります。
詳しくは リモートジョブ をご確認ください。

12.8.2. Q. Test Connection での接続テストは成功するが、ジョブの投入(サブミット)に失敗します。

A. 様々な理由が考えられます。以下にいくつかの例を示します。

1. TSUBAME3.0など、SSH接続の回数制限がある場合は、 TSUBAME3.0でのSSHアクセス数制限について に記載の方法で、SSH接続を都度実行せずにつなぐ方法で回避することができます。
2. サーバ側で、秘密鍵認証だけでなく、パスワード認証もアクティブにすることで回避できる場合もあります。
3. ログインサーバの実体が複数あり、バックグラウンドで自動選択される場合は、特定のログインサーバのみを利用するか、全てのサーバがcache登録されるまで接続しておくことで回避できる場合もあります。
4. ローカルマシンからWinmostarがジョブ投入コマンド( qsub など)を投げても、リモートサーバ上でコマンドが見つからない場合があります。 Submit Remote Job ウィンドウの Profile --> Edit Profile...Prefix for queueing commands に、 qsub 等の実行ファイルのパスを記入することで回避できます。例えば、 qsub のフルパスが /usr/local/bin/qsub の場合は、 Prefix for queueing commands に「/usr/local/bin/」と入力してください。

12.8.3. Q. Test Connection での接続テストは成功するが、WARNINGが表示され各種の操作に失敗します。

---------質問詳細---------
TestConnectionの結果はOKにもかかわらず、各種コマンドが実行できない。
また、リモートジョブ投入画面起動時やTestConnection実施時などで以下のダイアログが表示される。
WARNING: Putty default host name was found in registry.
(\SOFTWARE\SimonTatham\PuTTY\Sessions\Default%20Settings\HostName)
This may cause errors while job submission.
Clear this setting.

A.
原因:
このWARNINGはPuttyのHostNameが設定されているときにおこります。
Puttyの設定はWindowsのレジストリに保存されるため、Winmostar同梱版以外のPuttyであってもHostNameに何らか文字列が保存されていても、この問題がおこります。
対応:
リモートジョブ投入画面の Connection ‣ Open Putty からPuttyを起動します。Default SettingsのHostName欄に文字列が設定されているか確認します。
この文字列を削除してDefault Settingsを選択した状態でSaveすると、この問題を解消できます。
(なお、Port欄の入力内容は特に影響しません。)

12.9. MOPAC, CNDO/S, GAMESS, NWChem, Gaussianに関して

12.9.1. Q. MOPACで計算できる最大原子数はいくつですか?

A. 重原子(水素以外)70、軽原子(水素)90です。
マニュアルページ から大分子対応版MOPAC6の実行バイナリ(最大420原子)をダウンロードして使用することもできます。
WinmostarはMOPAC2016にも対応しています。
MOPAC2016は原子数の制限はなく、学位授与機関に所属する方のみ無料です。

12.9.2. Q. MOPACのログに ATOMS **, **, AND ** ARE WITHIN .**** ANGSTROMS OF A STRAIGHT LINE と表示されて異常終了します。

---------質問詳細---------
以下のように3原子が直線になったというエラーが出て止まります。
CALCULATION ABANDONED AT THIS POINT

THREE ATOMS BEING USED TO DEFINE THE
COORDINATES OF A FOURTH ATOM, WHOSE BOND-ANGLE IS
NOT ZERO OR 180 DEGREEES, ARE IN AN ALMOST STRAIGHT
LINE. THERE IS A HIGH PROBABILITY THAT THE
COORDINATES OF THE ATOM WILL BE INCORRECT.
THE FAULTY ATOM IS ATOM NUMBER 69
最後に、
ATOMS 68, 57, AND 54 ARE WITHIN .0134 ANGSTROMS OF A STRAIGHT LINE
と出ます。

A.
角度が180°近くになる角度がZ-Matrixに含まれている場合に表示されます。
メインウィンドウ右下の座標編集機能で、接続先の原子を変更し、Z-Matrixから180°に近い角度がなくなるようにしてください。
Z-Matrixに慣れていない場合は、これ以外の方法として、キーワードに"XYZ"を追加すると、このエラーを回避できることもあります。
あるいは、3原子が直線に並ぶ線上から外れた位置に、原子種XXのダミー原子を追加し、直線に並ぶ原子のZ-Matrix上の接続先として指定することで,
エラーを回避できることもあります。

12.9.3. Q. MOPACを実行するとログに「UNRECOGNIZED KEY-WORDS: ( PM6(ハミルトニアン名))」と出力され計算が終了してしまいます。

A. MOPACキーワード設定でHamiltonian=AM1に変えると動く場合は、使しているMOPACが対応していないハミルトニアンを選択していることによるエラーが出たことになります。
WinmostarマニュアルのMOPACの各バージョンがサポートする ハミルトニアンの一覧 をご確認の上、適切なハミルトニアンを選択してください。
それでも動かない場合は 一般的な不具合 の対処を実施してください。

12.9.4. Q. CNDO/SでMethod=INDOを使用したときに計算できません。

A. F以降の元素は同プログラムのMethod=INDOでサポートされていません。
Method=CNDOにするか、GAMESSなどの非経験手法を使ってください。

12.9.5. Q. GAMESS, Gaussian, NWChemのESP(静電ポテンシャル)の3次元表示を高速化することはできますか?

A. Windows版Gaussianをインストールしている場合は、Cubeファイルを開いた際に出現するCubegenウインドウにおいてCubegenチェックボックスにチェックを入れると、Gaussianに付属するCubegenプログラムを使用し比較的高速に処理することが可能になります。
将来的にはWinmostar付属のcubeファイル処理プログラム(OpenCubegen)を高速化する予定です。

12.9.6. Q. GAMESSでNMR計算を実行できません。

A. まずは 一般的な不具合 の対処を実施してください。
また、$SCFのDIRSCF=.F.にすること、並列計算ができないのでNCPUS=1にすることが必要です。
(計算結果出力の最後の方に以下の様に詳細が記載されます。)
INCOMPATIBLE OPTION CHOSEN WITH RUNTYP=NMR ***
NMR MAY BE COMPUTED ONLY FOR SCFTYP=RHF,
NO CORRELATION OPTION (DFTTYP, CITYP, CCTYP, MPLEVL) MAY BE CHOSEN
NO SEMI-EMPIRICAL OPTION (GBASIS=AM1/PM3/MNDO) MAY BE CHOSEN
DIRECT AO INTEGRAL CALCULATION (DIRSCF) IS NOT ENABLED,
AND/OR PARALLEL EXECUTION IS NOT ENABLED.

12.9.7. Q. GAMESSの実行時に「* ERROR: MEMORY REQUEST EXCEEDS AVAILABLE MEMORY」などとログに出力され計算が異常終了します。

A. GAMESSの実行時に割り当てられたメモリ容量が足りていないことを意味しています。
インプットファイル内のMWORDS=の数値を増やすことで、エラーを回避できます。

12.9.8. Q. GAMESSにおいて、1原子だけの系の計算で「WARNING. NUMBER OF INTERNAL COORDINATES IS GREATER THAN (3N-6), BUT NO SYMMETRY COORDINATES ARE GIVEN.」と表示されて異常終了します。

A. 原子が1個だけの系においてZ-matrixを使うことによる不具合を示すメッセージになります。
この場合は直交座標を使う(COORD=UNIQUEにする)ことで解消します。
WimostarのGAMESSキーワード設定ウィンドウにおいて、COORDをUNIQUEに変更してください。

12.9.9. Q. GAMESSのログに「 **** ERROR **** PCM SPHERE(S) MUST HAVE A POSITIVE RADIUS 」と表示され異常終了します。

A. Cavity半径がGAMESSに内蔵されていない原子が含まれている可能性があります。
Cavity半径を指定するためには、$PCM行の直後に次のステートメントを追加してください。
$PCMCAV RIN(13)=1.55, RIN(15)=1.55 $END
この例では13番目と15番目の原子にCavity半径を与えます。

12.9.10. Q. GAMESSの実行時に「ERROR: BAD DELOCALIZED COORDINATES GENERATED!!!」とログに出力され計算が異常終了します。

A. WimostarのGAMESSキーワード設定ウインドウにおいて、Z-Matrixタブを選択 --> $ZMATのチェックを外してください。

12.9.11. Q. NWChemの並列実行時に「Please specify an authentication passphrase for smpd: 」とログに出力され計算が流れません。

A. MPICH2インストール時にパスフレーズ(passphrase)を省略してしまうとそのようなエラーになる場合があります。
解決方法はいくつかありますが、MPICH2を一旦アンインストールしてから、再度インストールすると解決することがあります。
その場合は、MPICH2のアンインストール前にsmpdをストップし、MPICH2の再インストール後にsmpdをインストールする必要があります。

12.9.12. Q. Gaussianのoutファイルを読み込んだのですが、軌道(固有)エネルギーなどが表示されません。

A. 実行したGaussianの入力ファイルにpop=fullまたはpop=regularが抜けている場合は表示されません。

12.9.13. Q. Gaussianでchkファイルを読み込んだ計算を実施する方法を教えてください。

A. リモートジョブの場合はSubmitJobウィンドウで[Advance]のチェックを入れ、[Delete *.chk]のチェックを外すとchkファイルが残され、その上でchkファイルを生成した時と同じ名前でジョブを流すとchkファイルを読み込んで計算が流れます。
--Link1-- を使う方法の方が設定自体は簡便なため、こちらの使用もご検討ください。

12.9.14. Q. 一部の分子において、Fireflyのoptimaize実行後、分子軌道UVvis…を確認すると、「'*******' is not valid floating point value」というエラーがでます。

A. 基底関数に6-31+G*とdiffuse関数の+が加わっているため、基底の線形従属性が大きくなっています。
そのため、分子軌道係数の値の一部が非常に大きくなり、ログ中に****と出力されます。

解決方法としては、
1. 6-31G*基底関数を使う
2. 6-31+G*を使うのであれば、FireflyではなくGAMESSで計算する
が挙げられます。

線形従属性の処理がGAMESSには入っているため、
FireflyとGAMESSではエネルギー値が少し異なる可能性があります。
FireflyかGAMESSどちらかで統一して、一連の計算を行ってください。

12.10. Gromacs, LAMMPSに関して

12.10.1. Q. 分子動力学計算においてどのように系を平衡化したらいいですか。

A. 低分子の平衡状態の凝集系(気体ではなく液体・固体のこと)計算が目的のケースについてまず述べます。
まず初期状態の分子を並べる際には、最終的な密度に極力近い密度に設定してください。
しかし、かなり低密度でないと並べられないときはそれで構いません。
その後、ポテンシャルエネルギー、温度、密度の変化が収束するまで、エネルギー極小化、温度一定計算、温度圧力一定計算を流してください。
初期密度が低すぎた場合は、温度圧力一定計算で、目標圧力よりも高めの圧力(例えば100倍程度)で一旦圧縮してください。
最終的にアンサンブル平均の物理量に関心があり、平衡化後に目標温度・圧力に達しているならば、細かい平衡化手順の差は計算結果に大きな影響を与えることは少ないです。
高分子、ガラスの場合は、真の意味で平衡状態を得るには、現実的な計算時間では不可能な場合がほとんどのため、エネルギー、温度、密度の収束の加え、観察したい物理量に影響が大きいと思われる物理量の相関が0に到達する程度の時間平衡化計算を実施します。
気体の場合は圧力制御は不安定なため、エネルギー極小化と温度一定計算のみで平衡状態を得ます。

12.10.2. Q. GromacsのER法結果読み込みを実行しても結果が表示できません/エラーが出ます。

A. ER法を実行する際に指定した出力先ディレクトリに生成されるermod.outの内容を確認してください。
ermod.outの中に「 The minimum of the energy coordinate is too large; the ecdmin parameter needs to be smaller」と書かれている場合は、ER法実行ウィンドウの[Options]ボタンを押し、[For Solution System]のと[minimum value of the solute-solvent energy (ecdmin)]の値を小さくしてください。
具体的な値の設定方法など、詳しくは ERmodのwikiのFAQ を参照してください。
また、同様にermod.outの内容と ERmodのwikiのFAQ全般 の内容を照らし合わせ、ermodの設定の変更が必要な場合はER法実行ウィンドウの[Options]で設定してください。

12.10.3. Q. MD計算においてSHAKE法などによる拘束は計算結果にどのような影響を与えますか?拘束方法はどのように選んだらよいですか?

A. SHAKE法、RATTLE法、LINCS法、SETTLE法を共有結合する原子間に適用し結合長を拘束することで、時間刻みを大きく取り、同じ計算量でもより長時間の現象をより安定して観察できるようになります。安定、というのは、ハミルトニアン(全エネルギー)の保存の観点で、になります。
拘束しない場合に共有結合を表現する関数も実現象を高精度に表現しているわけではないので、安定した計算が流れているという前提のもと、算出される各種の物性に与える影響という点では、拘束する場合・しない場合のどちらも、それぞれの事情による実現象からのずれが生じています。
分子内の振動運動自体に計算の目的がない限りは、長時間安定してハミルトニアンが保存する条件を都度選択することを基本的には推奨します。
ただし、水素原子の結合は、拘束しない場合は系内で突出して高速に運動し、ハミルトニアンのドリフトの原因になりうるので、多くの場合は水素原子の結合については拘束します。

12.10.4. Q. MD計算を実行後、アニメーションを観たり、最終構造を見ていると、分子がセルの外側に出てしまうことがあるのはなぜですか?

A. 周期境界を使用していると、分子の実体は周期境界のセルの内側に収まるべきです。
しかし、Gromacs、LAMMPSなどのソルバは、平均二乗変位などを計算するために、セルの境界を分子が跨いでも、座標を折り返さずにそのまま並進移動した値でトラジェクトリを記録しています。
どちらにしても、結果解析時には適切に考慮され同じ結果が出力されますので、結果解析への悪影響はありません。
セルの外側に分子が飛び出る様子が見た目としてよくない場合は 表示 - 周期境界条件の表現形式 の設定を調整してください。

12.10.5. Q. Gromacs, LAMMPS(分子動力学計算)から誘電率を計算できますか?

A. 誘電率は外場の周波数に依存した物性であり、また周波数帯ごとにメカニズムも違うため、一概にお答えすることはできません。
WinmostarのGromacs, LAMMPSから計算される誘電率は、分子内分極が時間変化しない前提での、分子の配向に由来する成分です。
そして、その中でも、分子動力学計算のシミュレーション時間内における系全体の双極子モーメントの揺らぎから計算される、無限に遅い低周波の極限の値となります。
ポリマーのように分子量が大きく緩和が遅い物質の場合はシミュレーション時間内に観測できる範囲での情報しかわからないため注意が必要です。
WinmostarのQuantum ESPRESSOから計算される誘電関数は、原子座標が固定された状態での電子の分極に由来する高周波成分の誘電関数です。
比較対象としている誘電率の実験値の取得方法や、材料の性質、研究目的を考えたうえで、計算をプランニングする必要があります。
なお、弊社の有償サポートでプランニングのお手伝いをすることが可能です。

12.10.6. Q. Gromacsにおいて最終構造やアニメーションを読み込むと分子がバラバラに表示されることがありますがなぜですか?。

A. Gromacsの軽微な不具合による症状です。周期境界条件を考慮すると、分子の形状は保たれており、分子動力学計算としては適切に処理されているため、結果解析等には問題ありません。見た目を修正したい場合は、 表示 ‣ 周期境界条件の表現形式 から セルの内側に原子単位で再配置 を選択してください。

12.10.7. Q. 圧力制御(NPT一定またはNPH一定)を行うと、計算が途中で破綻します。解決方法はありますか?

A. まず、気相や気相中に他の相が分散しているような、分子間の相互作用が極めて弱い状況では、圧力制御は安定しにくいため、圧力制御を使わない方法も試してください。次に、破綻した計算において密度の時間変化を確認し、何が起こっているか確認してください。また、圧力制御を行う前に、密度一定で十分エネルギー・温度・圧力が平衡化している必要があります。密度一定での平衡化が終わった時点で、圧力(の平均値)は0またはマイナスである方が望ましいです。密度一定での平衡化終了時点で圧力の値が大きいと、圧力制御を開始した直後にシステムサイズが急激に変化します。密度一定での平衡化終了時点での圧力を小さくしたい場合は、初期密度を小さくしてください。それでもなお解決しない場合は、(1) 圧力制御をParrinello-Rahman(Nose-Hoover)法ではなくBerendsen法に切り替える、(2) 圧力制御の時定数を大きくする、(3) 圧力制御を入れた計算を短く何回かに分割する、ということで改善するかと思われます。

12.11. Quantum ESPRESSO, OpenMXに関して

12.11.2. Q. Quantum ESPRESSOを用いた計算が失敗します。計算結果の表示でエラーが出ます。

A. まずは 一般的な不具合 の対処を実施してください。
次に、WinmostarではQEの各モジュールをバッチ処理で連続実行しているので、Winmostarが生成したbatファイル(ローカル実行の時)またはshファイル(リモート実行の時)に記述された処理の流れを見ながら、生成された出力ファイル(pwoutまたはout)ファイルを順番に確認してください。
例えば、フォノン計算の場合はph.xの出力ログ(ph.out)を確認してください。
最初に「Error in routine ...」などのエラーが出現した箇所の対処を施し、再度ジョブを実行してください。
特定のキーワードに関するエラーは、そのキーワードの設定を 公式サイト でご確認ください。
典型的なQEのエラーの対処方法は 公式サイトのFAQ に記載されています。

12.11.4. Q. Quantum ESPRESSO, OpenMXのSCF計算または構造最適化計算が収束しません。

A. 以下の対策を順に実施してください。
必ず試すべきこと:
・第一原理計算は設定項目が多いので、適当に計算条件を変えず、きちんと記録を取りながら一連の計算を流す。
QEの一般的な不具合 の対処を実施する。
・本当に収束しない傾向にあるいかチェックする。
・QEではEstimated accuracyをSCFサイクル数に対しプロットする。両対数プロットならなおよし。
・スピン分極状態・電荷が妥当か調べる。
・up/downスピンの並び方を与える。
・系全体の磁気モーメントを拘束する。
・尤もらしい初期構造を使う。
・実験や他の計算手法で得られた構造を使う。
・計算する上で配置に任意性のある原子(X線で見えない軽元素、固溶体、欠陥、非整数の組成など)がある場合は、違う配置を試す。
・固溶体・欠陥を含むようなケースでは、系内に大きなダイポールモーメントが生じないような初期構造にする。

次に試すこと:
・mixing_modeを調整する。
・smearingを使っていない場合はsmearingを使う。
・擬ポテンシャルの種類を変える。
・スピン分極の初期値を調整する。(原子単位または系全体)
・外部電場、欠陥、吸着など比較的複雑な条件を設定している場合は、それらをなくしたよりシンプルな条件で試し、その計算が収束したなら、その計算の終状態(原子配置・波動関数など)を始状態として計算を開始する。

・収束しなかった計算の途中から計算を開始する(SCFのアルゴリズムは履歴に依存するため)。
・行列計算のパラメータを調整する(収束しづらい設定のみ見直す)。
・スラブに分子が吸着するような、系内に大きなダイポールモーメントが発生してしまう場合は、ダイポールの補正を行う。

計算時間・計算精度との兼ね合いで試すこと:
・カットオフエネルギーを大きく取る。
・K点を多めにとる。
・smearingを調整する(種類・幅)。
・波動関数の更新度合(QEではmixing_beta)を小さくする。

計算精度との兼ね合いで試すこと:
・SCFの収束パラメータを緩くする。

12.11.5. Q. Quantum ESPRESSOのSCF計算が出力ファイル(.pwoutまたは.out)に「too few bands」と表示され異常終了します。nbndの設定方法が分かりません。

A. まずは QE公式のマニュアルのnbndの説明 をご確認ください。
nbndを使わずに計算を流すと、QEが自動でnbndを適当に設定して計算するので、Winmostarのキーワード設定画面で「Use nbnd」のチェックを外してください。
nbndを増やしたい場合は、nbndを使わずに実行したときにpwoutまたはoutファイルに出力される"number of Kohn-Sham states"の値よりも大きい値をnbndに設定してください。
また、Winmostarのキーワード設定画面の「Use nbnd」のところに表示される「# valence bands: 」の値も参考にしてください(詳細は 固体 ‣ Quantum ESPRESSO メニュー を参照)。

12.11.9. Q. フェルミ面を出力しようとしてもそれらしきものが表示されません。

A. まず、可能なら対象の物質が金属であることを確認してください。次に、状態密度も出力し、フェルミエネルギーにおいて状態密度が0でないことを確認してください。

12.11.11. Q. OpenMXでMPIを有効にしてローカルマシンで計算を実行すると、 tcp_peer_send_blocking: send() to socket 12 failed: Transport endpoint is not connected というエラーが表示されます。

A. CygwinのOpenMPI特有の問題で、Windowsの[設定]-[ネットワークとインターネット]-[アダプターのオプションを変更する]において使用していないネットワークアダプタを無効にしてください。また、OpenMXはローカルマシンにおいてはOpenMPで計算することを推奨します。

12.11.12. Q. Quantum ESPRESSOで汎関数の種類はどのように設定しますか?

A. Quantum ESPRESSOでは、汎関数ごとに擬ポテンシャルファイルが作られるので、基本的には擬ポテンシャルファイルを選んだ時点で汎関数が決定されます。一部の汎関数(HSE、vdw汎関数など)は、ベースとなる汎関数(例えばHSEの場合はPBE)で作られた擬ポテンシャルファイルを選択した上で、input_dftキーワードを使用して汎関数の設定を上書きします。

12.12. アドオンに関して

12.12.1. Q. 溶解度パラメータ計算モジュールを用いてポリマーのハンセン溶解度パラメータを計算する際に、ポリマーの繰り返し構造(モノマー)の取り方の違いで出力される値が変化してしまう。

A. 実装されている原子団寄与法のアルゴリズムのために発生しています。原子団を探索する際には、一番大きな原子団から探索されるようになっています。重要そうな官能基は繰り返し単位の中に入れておくことをお勧めします。

12.12.2. Q. 溶解度パラメータ計算モジュールを用いて取得したハンセン溶解度パラメータの値が、文献値と大きく異なります。

A. 溶解度パラメータ計算モジュールは、各種の文献値を学習データとしてニューラルネットワークで学習された原子団寄与法を用いてハンセン溶解度パラメータを出力しています。そのため、文献値と全く同じ値を返すわけではありません。また、文献によっては溶解度パラメータの単位が異なりますので、その点にご注意ください。