6.11. MD ‣ ポリマー メニュー

ポリマー系を作成する手順は以下のとおりである。

  1. 繰り返し単位をモデリングし、 繰り返し単位登録 を実行する。

  2. 1で登録したモノマーを用いて ホモポリマービルダ , ブロックポリマービルダ , ランダムポリマービルダ を用いてポリマーを登録する。

  3. ポリマーセルビルダ にて、 2. で登録したポリマーを用いてセルを構築する。

低分子・ポリマー混合系を作成したい場合は、上記手順でポリマー系を作成した後に 分子を挿入 で低分子を追加する。

6.11.1. 繰り返し単位登録

ホモポリマービルダブロックポリマービルダランダムポリマービルダ で使用するための繰り返し単位を登録します。 設定 で設定したモノマーファイルの保存先に、 wmo という拡張子で保存されます。 wmo ファイルはWinmostar独自のコメントが付加したmol2ファイルです。

  1. メインウィンドウにおいて登録したい繰り返し単位の構造を作成します。

  2. HeadとTailの2原子を左クリックして、赤丸の マーカー が付いた状態にし、本機能を呼び出します。

[Head], [Tail]

選択したHead原子とTail原子の番号が表示されます。

[OK]

繰り返し単位の登録名を入力し、繰り返し単位を登録しウィンドウを閉じます。モノマーファイルが作成されます。

[Cancel]

設定を破棄してモノマー登録画面を閉じます。

6.11.2. ホモポリマービルダ

ポリマーセルビルダ で使用するためのホモポリマーを、 繰り返し単位登録 で登録された繰り返し単位から作成し登録します。 設定 で設定したポリマーファイルの保存先に、 wpo という拡張子で保存されます。 wpo ファイルはWinmostar独自のコメントが付加したmol2ファイルです。 ポリマー全体の電荷は、使用した繰り返し単位の電荷と重合度の積になります。 重合により削除された原子の分の電荷はポリマー全体の原子に均等に割り当てられます。

[Degree of Polymerization]

重合度を指定します。

[Repeat Unit]

使用する繰り返し単位を選択します。

[Display]

選択した繰り返し単位を表示します。

[Delete]

選択したモノマーファイルを削除します。

[Tacticity]
[Isotactic]

アイソタクチックポリマーを作成します。

[Syndiotactic]

シンジオタクチックポリマーを作成します。

[Atactic]

アタクチックポリマーを作成します。

[Racemo Ratio]

アタクチックポリマー選択の際、ラセモ率(0 < x < 1.0)を指定します。

[Head/Tail Configulation]
[Head to Tail]

繰り返し単位のHead原子とTail原子を重ねて結合します。

[Head to Head]

繰り返し単位のHead原子とHead原子を重ねて結合します。また、繰り返し単位のTail原子とTail原子を重ねて結合します。

[Build]

ポリマーを登録します。ポリマーファイルが作成されます。

[Close]

ウィンドウを閉じます。

6.11.3. ブロックポリマービルダ

ポリマーセルビルダ で使用するためのブロックポリマーを、 繰り返し単位登録 で登録されたモノマーから作成し登録します。 設定 で設定したポリマーファイルの保存先に、 wpo という拡張子で保存されます。 wpo ファイルはWinmostar独自のコメントが付加したmol2ファイルです。 電荷の割り当て方は ホモポリマービルダ と同じです。

[First Repeat Unit]

先頭繰り返し単位をリストから選択します。

[Last Repeat Unit]

末尾繰り返し単位をリストから選択します。

[Middle Repeat Unit]

中間の繰り返し単位をリストから選択します。[Number]に繰り返し数を入力します。

[>>Add>>]

選択した繰り返し単位をリストに登録します。

[<<Delete<<]

リストから選択した項目を削除します。

[Display]

選択した繰り返し単位を表示します。

[Delete]

選択された繰り返し単位を削除します。

[Build]

リストの内容に基づいてポリマーを作成します。ポリマーファイルが作成されます。

[Close]

ウィンドウを閉じます。

6.11.4. ランダムポリマービルダ

ポリマーセルビルダ で使用するためのランダムポリマーを、 繰り返し単位登録 で登録されたモノマーから作成し登録します。 設定 で設定したポリマーファイルの保存先に、 wpo という拡張子で保存されます。 wpo ファイルはWinmostar独自のコメントが付加したmol2ファイルです。 電荷の割り当て方は ホモポリマービルダ と同じです。

[Degree of Polymerization]

重合度を指定します。先頭、末尾も含めた数を入力します。

[First Repeat Unit]

先頭繰り返し単位をリストから選択します。先頭繰り返し単位も乱数的に割り当てたいときは空白にします。

[Last Repeat Unit]

末尾繰り返し単位をリストから選択します。末尾繰り返し単位も乱数的に割り当てたいときは空白にします。

[Middle Repeat Unit]

中間の繰り返し単位をリストから選択します。

[>>Add>>]

設定した繰り返し単位名と出現率(0 < x < 1.0)をリストに登録します。

[<<Delete<<]

リストから選択した項目を削除します。

[Display]

選択した繰り返し単位を表示します。

[Delete]

選択した繰り返し単位を削除します。

[Sum of Ration]

Middle Repeat UnitにリストアップされたRatioの合計値が表示されます。

[Definition of Ratio]
[Probability of Each Monomer]

出現率[Add]に従って繰り返し単位を発生させます。最終的な繰り返し単位の比率は出現率に一致するとは限りません。

[Proportion in Total Monomers]

最終的に得られる繰り返し単位の比率は出現率[Add]に比例します。

[Number of Patterns]

ポリマーのパターンの数を指定します。

[Use Specific Random Seed]

特定の乱数種を使用する場合は、チェックして値を指定します。 指定しない場合は違う構造のパターンが得られます。

[Build]

リストの内容に基づいてポリマーを作成します。ポリマー名のフォルダの下にポリマーファイルがパターンの数だけ作成されます。

[Close]

ウィンドウを閉じます。

6.11.5. ポリマーセルビルダ

ホモポリマービルダブロックポリマービルダランダムポリマービルダ において登録したポリマーを用いてシミュレーションセルを構築します。 溶媒を配置/セルを構築 を用いると各分子を剛体的にシミュレーションセルに配置するためポリマーを高密度で作成することが困難ですが、本機能を使用するとLAMMPSを使用してエネルギー最小化計算を実行しながら配置するため比較的高密度で作成することができます。 内部処理は以下の通りです。

  1. ポリマーをセル内にランダムに配置します。

  2. 各ポリマーの主鎖のみ抜き出して構造最適化します。

  3. 各原子が接触しない範囲で追加できる側鎖の原子を追加して構造最適化します。

  4. すべての原子が追加されるまで3を繰り返します。

[Polymer Available]
[Display]

選択したポリマーを表示します。

[Delete]

指定したポリマーのファイル削除します。

[>>Add>>]

選択したポリマーをPolymers Usedリストに反映させます。

[<<Delete<<]

選択したポリマーをPolymers Usedリストから削除します。

[Simulation Cell]タブ
[Set Density]

密度を指定します。

[Set Dimensions]

直方体セルの各方向の長さを指定します。

[Cubic Cell]

セルの形状を立方体にします。

[Periodic Boundary Condition]
[X],[Y],[Z]

周期境界条件を課す方向にトグルを入れます。

[Options]タブ
[MPI]

作成時の最適化に使用するLAMMPSをMPI並列で計算します。

[Processes]

MPI並列数を指定します。

[Non-bonded inter-atomic distance tolerance]

非結合原子間距離の最小値の許容値を指定します。 指定した許容値で作成できなかった場合は、徐々に許容値を小さくして作成するので、必ず許容値に収まっているとは限りません。 許容値の変化はログに出力されます。

[Randomly select random polymers to be used]

ランダムポリマーの場合は、使用するポリマーをランダムに選択します。 チェックされていない場合は、順番に使用します。

[Use Specific Random Seed]

特定の乱数種を使用する場合はチェックして値を指定します。 指定しない場合は毎回違う構造が得られます。

[Do not twist each polymers]

各ポリマーを直線状に配置します。

[Build]

シミュレーションセルを作成します。

[Close]

ウィンドウを閉じます。

6.11.6. 繰り返し単位割り付け

DPD粒子に対し登録した繰り返し単位を割り付け、全原子MDの分子構造を取得します。

6.11.7. 設定

モノマーおよびポリマーを登録するフォルダを指定します。

[Monomer(*.wmo)Folder]

モノマーファイルの保存先フォルダを指定します。

[Polymer(*.wpo)Folder]

ポリマーファイルの保存先フォルダを指定します。

[OK]

設定内容を保存してウィンドウを閉じます。

[Cancel]

設定内容を破棄してウィンドウを閉じます。