6.7. メニュー
GAMESSに関するメニューです。
GAMESSを利用するためには別途GAMESSをインストールする必要があります。 GAMESSをインストールする方法は インストール に記載しています。
6.7.1. ワークフロー設定
プロジェクトモードにおけるGAMESSの計算フローを設定、実行します。 プロジェクトモードのローカルジョブでは GAMESS(1) に指定したバイナリが利用されます。
の
- Preset
設定のプリセットを呼び出し、保存します。
- # of Jobs
ジョブの数を指定します。
- Enable parameter/structure scan
この機能を使うためにはアドオンの購入が必要です。特定のパラメータだけが異なる複数の計算を流したり(パラメータスキャン)、複数の構造に対し同一のパラメータで計算を流す(構造スキャン)ことが可能となります。
Config をクリックするとスキャン計算の設定画面が出現します。パラメータスキャンの際は Target Variable に%WM_SCAN1%を選択し、 Values の各行に%WM_SCAN1%に設定したいパラメータを入力します。そして、ワークフロー設定ウィンドウまたはキーワード設定ウィンドウにおいて設定したいパラメータに%WM_SCAN1%と入力します。構造スキャンの際は、分子表示エリアでアニメーションが出現した状態(SDFファイルを開くなど)で、 Target Variable に%WM_STRUCT%を選択します。
スキャン計算の終了後は
を利用して計算結果を集計します。- Import
Exportで出力した設定を読み込みます。ボタン右の矢印をクリックすると、過去同じプロジェクトまたはWinmostar上で使用した設定を呼び出すことができます。
- Export
設定をファイルに出力します。
- OK
設定した内容で計算を実行またはファイルを生成します。詳しくは プロジェクトモードの場合 を参照してください。
- Details
計算条件を詳細に設定します。 キーワード設定 が立ち上がります。
- Task
計算の種類を指定します。冒頭に$から始まるグループ名が無いキーワードは$CONTRLのものです。
設定内容 Energy RUNTYP=ENERGY Optimize RUNTYP=OPTIMIZE IR RUNTYP=HESSIAN Raman RUNTYP=RAMAN TDDFT RUNTYP=ENERGYTDDFT=EXCITE$TDDFT NSTATE=10 Optimize(TS) RUNTYP=SADPOINT$STATPT HESS=CALC Optimize(TDDFT) RUNTYP=OPTIMIZETDDFT=EXCITE$TDDFT NSTATE=10 IRC(Forward) RUNTYP=IRC$STATPT HESS=READ$IRC FORWRD=.TRUE. NPOINT=20 MXOPT=40 SADDLE=.TRUE. IRC(Reverse) RUNTYP=IRC$STATPT HESS=READ$IRC FORWRD=.FALSE. NPOINT=20 MXOPT=40 SADDLE=.TRUE. Optimize+IR RUNTYP=OPTIMIZE$STATPT HSSEND=.TRUE. Optimize(TS)+IR RUNTYP=SADPOINT$STATPT HESS=READ HSSEND=.TRUE. RESP RUNTYP=ENERGYMOLPLT=.TRUE.$ELPOT IEPOT=1 WHERE=PDC OUTPUT=PUNCH$PDC PTSEL=CONNOLLY CONSTR=NONE- Method
計算手法(Hamiltonian)を指定します。冒頭に$から始まるグループ名が無いキーワードは$CONTRLのものです。
設定内容 各種DFT DFTTYP=各種DFT(DFT-D3の場合) $DFT IDCVER=3 MP2 MPLEVL=2$SYSTEM MEMDDI=500 CCSD CCTYP=CCSD- Basis set
基底関数を指定します。
- Charge
電荷を指定します。
- Multiplicity
スピン多重度を指定します。
- Solvent
PCMの溶媒種を指定します。
6.7.2. キーワード設定
GAMESSの計算条件を設定します。設定後、すぐに計算を実行する場合は Run ボタン、一旦メインウィンドウに戻る場合は OK ボタンを押してください。
Run をクリックしたときの挙動は (1) GAMESS実行, (2) GAMESS実行 を参照してください。
Reset ボタンでデフォルトの状態に戻ります。 Save as Default ボタンで現在の状態をデフォルトの状態として保存します。 で保存されてデフォルトの状態を出荷時の状態に戻します。
- Easy Setup
簡易設定画面を表示します。
- NCPUS
並列数を指定します。
- NODES (FireFly)
計算に使用するノードのディレクトリを指定します。
- Basicタブ
- $CONTRL
- ICHARG
電荷を指定します。
- MULT
スピン多重度を指定します。
- SCFTYP
SCF計算方法を指定します。
- RUNTYP
計算目的を選択します。
- COORD
分子構造座標の形式を指定します。$DATAの座標形式と連動しています。
- MAXIT
SCF計算の反復回数の上限を指定します。
- NZVAR
内部座標の数を指定します。 %NZVAR%には、ZMATのDLC=.T. AUTO=.T.を含む場合は5000、IFREEZを含み分子数1かつ原子数5以上のRUNTYP=OPTIMIZEの場合は3N-6、それ以外は0が代入されます。
- EXETYP
実際に計算を行うかどうかの指定で、入力をチェックするときはCHECKを指定します。
- NOSYM
計算の際に対称性を利用するかどうかを指定します。
- NPRINT
出力の詳細度を指定します。
- LOCAL
軌道の局在化の方法を指定します。(デフォルト 0 = しない)
- PP
Pseudopotential(有効内殻ポテンシャル(ECP))を指定します。
- DFTTYP
密度汎関数法の基底関数系を指定します。
- TDDFT
時間依存(Time-dependent)DFT法を用いて励起状態のエネルギー計算を行うかどうかを指定します。
- CITYP
配置間相互作用(CI)計算を行うかどうかを指定します。
- CCTYP
結合クラスター(CC)計算を行うかどうかを指定します。
- ISPHER
基底関数をCartesian関数もしくは球面調和関数で扱うかを指定します。(デフォルト -1 = Cartesian)
- MPLEVL
Moller-Plesset摂動(MP)計算を行うかどうかを指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $BASIS
- Basis Set
基底関数系を指定します。GBASIS、NGAUSS、NDFUNC、NFFUNC、DIFFSP、DIFFSに反映されます。
- GBASIS
基底関数系の基本セットを指定します。
- NGAUSS
Gaussian関数の数を指定します。
- EXTFIL
外部ファイルから基底関数を読み込みます。
- NDFUNC
加えるd-分極関数の数を指定します。
- NFFUNC
加えるf-分極関数の数を指定します。
- NPFUNC
加えるp-分極関数の数を指定します。
- DIFFSP
sp-diffuse関数を加えるかどうかを指定します。
- DIFFS
s-diffuse関数を加えるかどうかを指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- Advancedタブ
- $SYSTEM
- TIMLIM
計算の制限時間を指定します。 (デフォルト 525600分)
- MWORDS
各プロセスのメモリ最大使用量を指定します。 (デフォルト 1MW)
- MEMDDI
DDI用総和メモリ最大使用量を指定します。 (デフォルト 1MW)
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $SCF
- DIRSCF
ダイレクトSCF計算法を使用するかどうかを指定します。
- DAMP
Fock 行列の作成に際して、Davidson damping を利用します。
- CONV
SCF収束判定の際の密度変化の閾値を指定します。(デフォルト 1.0D-05)
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $GUESS
- GUESS
初期波動関数の求め方を指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $STATPT
- NSTEP
構造最適化のステップ数の上限を指定します。(デフォルト 20)
- OPTTOL
エネルギー勾配の閾値を指定します。(デフォルト 0.0001 Hartree/Bohr)
- METHOD
構造最適化のアルゴリズムを指定します。
- HESS
Hessian 行列の求め方を指定します。
- HSSEND
計算の最後にHessian 行列を求めるかどうかを指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $FORCE
- TEMP
熱力学データ計算における温度(Kelvin)を指定します。(デフォルト 298.15)
- Others
その他のキーワードを記入します。
- Z-Matrixタブ
- Set "DLC=.T. AUTO=.T." if RUNTYP=OPTIMIZE, (# atoms)>5 & (# mols)=1
チェックが入っていた場合は%ZMATDLC%を設定します。 %ZMATDLC%には、IFREEZを含まず分子数1かつ原子数5以上のRUNTYP=OPTIMIZEの場合、"DLC=.T. AUTO=.T."を設定します。
- DFTタブ
- $DFT
- LC
長距離補正を行うかどうかを指定します。(BLYP, BOP及び BVWNの場合のみ)
- MU
長距離補正のパラメータの値を指定します。(デフォルト 0.33)
- DC
Grimmeの経験的分散力補正を行うかどうかを指定します。
- IDCVER
Grimmeの経験的分散力補正のバージョンを指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $TDDFT
- NSTATE
求める状態の数(基底状態を除く)を指定します。
- NRAD
密度汎関数の導関数を求める際の動径方向の格子点の数を指定します。(デフォルト 48)
- NLEB
角度方向の格子点の数を指定します。(デフォルト 110)
- Others
その他のキーワードを記入します。
- MP2タブ
- $MP2
- CODE
使用するMP2コードを指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- Solventタブ
- $PCM
- SOLVNT
溶媒を指定します。
- SMD
SMD(Solvent Model Density)を使用するかどうか指定します。
- IEF
PCMモデルの種類を指定します。
- ICAV
Cavitationエネルギーを計算するかどうか指定します。
- TABS
温度(Kelvin)を指定します。(デフォルト 298.0)
- Others
その他のキーワードを記入します。
- $PCMCAV
- RADII
空洞の半径の種類を指定します。
- Others
その他のキーワードを記入します。
- IRCタブ
- $IRC
- FORWRD
正方向か逆方向かを指定します。
- PACE
IRC計算方法を指定します。
- NPOINT
IRC点数を指定します。
- MXOPT
各IRC点における構造最適化の最大ステップ数を指定します。
- STRIDE
IRC点間の距離を指定します。
- SADDLE
$DATAの構造が鞍点かどうかを指定します。
- OPTTOL
極小点に到達したかを判断するためのエネルギー微分値の閾値を指定します。
- Commentタブ
コメントを記入します。
- Previewタブ
設定キーワードのプレビューが表示されます。
- Import $HESS
$HESSをpunchファイルから読み込みます。
- Import $VEC
$VECをpunchファイルから読み込みます。
- Reset
設定をリセットします。
- Import
設定ファイルを読み込みます。
- Export
設定ファイルを出力します。
6.7.3. キーワード読み込み
既存のGAMESSの入力ファイルから、キーワード(計算条件)のみを読み込みます。
6.7.4. (1) GAMESS実行, (2) GAMESS実行
メインウィンドウでGAMESSの入力ファイルが開かれている場合は、そのファイルを使ってGAMESSを実行します。 開かれていない場合は、GAMESSの入力ファイルを保存した上でGAMESSを実行します。
入力ファイルを保存する際に、$CONTRLのCOORDの設定内容に応じて、$DATAの原子座標形式が変化します。ZMTMPCの場合はMOPACのZ-matrix形式、それ以外の場合はCartesian形式となります。
(1) GAMESS実行 , (2) GAMESS実行 には、それぞれバージョンの異なるGAMESSを設定して、両者を場面に応じて使い分けながら使用することを想定しています。 (1) GAMESS実行 , (2) GAMESS実行 の違いは、起動するGAMESSのプログラムパスです。 各メニューで使うプログラムパスは、 で変更することができます。
外部基底関数ファイルを使用するには( $BASIS EXTFIL=.T. )、
basis.lib
をGAMESSのEXEファイルと同じディレクトリに置きます。 WinGAMESSの場合は、runscript.csh
の中で setenv EXTBAS ../basis.lib と指定します。実行に伴い以下のファイルが生成されます。 例として入力ファイルが
water.inp
の時のファイル/フォルダ名を併記しています。
種類
説明
outファイルwater.out
計算のログファイルです。
batファイルwater.inp.bat
GAMESSを実行するためのバッチファイルです。
punファイルwater.pun
詳細な結果解析を行うためのpunchファイルです。ジョブは Winmostar Job Manager を通じて実行されます。
6.7.5. ログを表示 (out,log)
outファイルをテキストエディタで開きます。
6.7.6. ログの抜粋を表示
outファイルの主要な情報を抜粋して表示します。
6.7.7. アニメーション
outファイルの情報から構造最適化、スキャン、IRC計算等のアニメーションを作成し表示します。
アニメーション表示の操作方法は アニメーション操作エリア を参照してください。
6.7.8. 結果解析
6.7.8.1. 分子軌道, 電荷
outファイルの情報から分子軌道, 電荷の情報を取得し表示します。
読み込まれた電荷の情報は
などを選択することで分子表示エリアに表示することができます。サブウィンドウの操作方法は Energy Level Diagramウィンドウ , Surface Setup・Cubegenウィンドウ を参照してください。
6.7.8.2. UV-Visスペクトル
outファイルの情報からUV-Visスペクトルを表示します。
サブウィンドウの操作方法は UV-Vis Spectrumウィンドウ を参照してください。
6.7.8.3. NMRスペクトル
outファイルの情報からNMRスペクトルを表示します。
サブウィンドウの操作方法は NMRウィンドウ を参照してください。
6.7.8.4. IR/ラマンスペクトル
outファイルの情報から振動スペクトル(IRまたはラマンスペクトル)を表示します。
RUNTYP=HESSIAN のoutファイルからIRスペクトルを読み込ませた後、続けて本メニューで RUNTYP=RAMAN のoutラマンスペクトルを読み込ませると、両方のスペクトルを同時にサブウィンドウに表示することができます。
サブウィンドウの操作方法は IR Spectrumウィンドウ を参照してください。
6.7.8.5. RESP電荷
RESP法に基づく点電荷をpunchファイルから算出します。
読み込ませるpunchファイルは、 RESP/ESP の設定を選んで実行した計算から出力されている必要があります。 スピン多重度は1という前提で処理されます。
において「分子構造的に等価な原子に同じ電荷を割り当てますか?」と聞かれ、 はい をクリックすると内部的にはacpypeを、 いいえ をクリックすると内部的にはAmberToolsを直接使ってRESP電荷を算出しています。基本的には はい をクリックする方を推奨しますが、大きい分子の場合などに処理が正常終了しない場合があり、そのような場合は いいえ をクリックしてください。両者の計算結果は、大きくは変化しないことが期待されます。 いいえ を選択した後に分子構造的に等価な原子(例えばメチル基の3つの水素原子)の電荷を平均化したい場合は、 グループの電荷を平均化 を使用してください。
なお、本機能でFireflyはサポートされていません。
警告
本機能を利用するためには CygwinWMのセットアップ が必要です。
6.7.9. PDBファイルを編集
PDBデータの残基情報等を残したまま、原子削除等の編集を行います。