8.2. DCDFTBMD
8.2.1. キーワード設定
DCDFTBMDの計算条件を設定します。設定後 OK ボタンを押してください。
Reset ボタンでデフォルトの状態に戻ります。 Save ボタンで設定を保存します。 Load ボタンで Save にて保存した設定を読み込みます。
- Continue Simulation
継続ジョブを実行します。 キーワードRESTART=TRUEが設定され、
restart
の情報から計算が再開されます。詳細は 実行 を参照してください。
- # of Threads
OpenMPの並列数を指定します。
- Use MPI
MPIを使用します。横の欄にはMPI並列数を指定します。
- Basic
- Charge
系全体の電荷を指定します。
- Multiplicity
系全体のスピン多重度を指定します。
- Parameter Set
使用するパラメータの種類を選択します。 Winmostarのインストールフォルダ(デフォルトでは
C:\winmos11\
)の下のDFTBParam
フォルダに配置したフォルダの名前がリストアップされます。DFTBParam
フォルダの下に置くフォルダは、skfなどのパラメータファイルを含む必要があります。 例えば、C:\winmos11\DFTBParam\mio-1-1\C-C.skf
という階層構造が想定されます。- Open Directory for Parameter Set
前述の
DFTBParam
フォルダを開きます。- Reload Parameter Set
前述の
DFTBParam
フォルダを再度読み込み、 Parameter Set のリストを更新します。- Executable
計算に使用するDCDFTBMDのバイナリを指定します。 MPIを使用するときは
dftb_mpiomp_mpich.00.x
などのMPI対応版のバイナリを指定する必要があります。 ここで指定するバイナリへ、リモートサーバ上でPATHを通しておく必要があります。- Advanced
- Method
SCCまたはNCCを選択します。
- THIRDFULL
SCC ハミルトニアンに対する3次補正を使用します。
- DAMPXH
X-Hペアに対するSCC相互作用の短距離でのダンピングを使用します。
- MAXITER
SCCサイクルの最大数を指定します。
- ECONV
エネルギー変化の収束条件を指定します。(atomic unit)
- DCONV
グラジエント変化の収束条件を指定します。(atomic unit)
- DISP
経験的分散力補正を使用します。
- DISPTYPE
経験的分散力補正の種類を指定します。
- DC
分割統治法を使用します。
- SUBTYPE
部分系の作り方を指定します。
- BUFRAD
球状バッファ領域の半径を指定します。(angstrom)
- DELTAR
SUBTYPE=AUTOで系を立方体空間に分割する際のグリッド (angstrom)
- OPT/FREQ
- OPT
構造最適化計算を実行します。
- MAXITER
構造最適化サイクルの最大数を指定します。
- DCONV
グラジエント変化の収束条件を指定します。(atomic unit)
- FREQ
調和振動解析を実行します。
- MD
分子動力学計算を実行します。
- NSTEP
ステップ数を指定します。 Continue Simulation にチェックを入れている場合は、継続前のジョブのステップ数とこれから流すジョブのステップ数の和を入力する必要があります。
- DELTAT
時間刻みを指定します。 (second)
- BATHTEMP
NVTおよびNPTアンサンブルを利用するときの熱浴温度を指定します。 (Kelvin)
- Ensemble
アンサンブルの種類を指定します。
- NVTTYPE
熱浴の設定を指定します。
- INITTEMP
初期温度を指定します。 (Kelvin)
シミュレーション中の座標等のファイルへの出力頻度を指定します。
- CALCPRESSURE
圧力を計算します。継続ジョブを行う際には、引継ぎ前のジョブの設定から変更することができないので注意する必要があります。
- Properties
- MO
分子軌道係数を出力します。(部分系の数が1の場合のみ)
- ATOME
全エネルギーに対する各原子からの寄与を出力します。
- HS
ゼロ次ハミルトニアン、重なり行列を出力します。(部分系の数が1の場合のみ)
- FORCE
エネルギーと力の計算を行います。
- STRESS
応力テンソルと格子ベクトルの微分計算を行います。
- Options
- Restore Working Folder
継続ジョブが異常終了時など、作業フォルダを実行前の状態に戻す際にクリックします。
8.2.2. 実行
DCDFTBMDを実行するために、 リモートジョブ を開きます。 詳細な操作方法は リモートジョブ を参照してください。
状況に応じて実行方法が異なります。
- (デフォルト) Continue Simulation にチェックがない場合
実行時にユーザが指定した名前で入力ファイル(拡張子dci)を保存し、それを用いて計算を実行します。
- Continue Simulation にチェックがある場合
メインウィンドウで開かれた入力ファイルに紐づけられた既存の作業フォルダのバックアップを作成し、新たに作成した作業フォルダの中に入力ファイルを
dftb.inp
として保存し、それを用いて計算を実行します。実行に伴い以下のファイルが生成されます。 例として入力ファイルが
water.dci
の時のファイル/フォルダ名を併記しています。
種類
説明
dcoファイルwater.dco
DCDFTMDの標準出力ファイルです。作業フォルダのdftb.out
をコピーしたものです。 シェルスクリプトwater.sh
DCDFTBMDとそのプリ・ポスト処理を実行するためのシェルスクリプトです。 confファイルwater_conf.sh
上記シェルスクリプトの中で使われる変数を収めたファイルです。 作業フォルダwater_dc_data\
作業フォルダです。作業フォルダには以下のファイルが生成されます。 ここでは主要なファイルのみ示しています。
種類
説明
dftb.inp
実際にDCDFTMDに渡される入力ファイルdftb.out
標準出力ファイルdftb.dat
詳細出力ファイルtraject
MD計算におけるトラジェクトリファイルrestart
リスタート用ファイルヒント
作業フォルダ
作業フォルダとは、メインウィンドウで開かれているファイルの名前に接尾辞を加えた名前のフォルダです。
接尾辞はソルバの種類により変わります。
例えばGromacsの場合は、メインウィンドウで開かれているファイルが
aaa.gro
で、接尾辞が_gmx_tmp
の場合、作業フォルダの名前はaaa_gmx_tmp
となります。メインウィンドウで開かれているファイルと同じ階層に置かれている必要があります。
継続ジョブの時も同名の作業フォルダで処理が流れますが、デフォルトでは継続ジョブの実施直前に、直前のジョブの作業フォルダのバックアップが作成されます。
バックアップの名前は、重複する名前が存在しない範囲で一番小さい番号が付いたものになります。例えば、作業フォルダが
aaa_gmx_tmp
のときはaaa_gmx_tmp1
となります。番号が付いていないディレクトリが常に最新のものとなります。
8.2.3. ログを表示(dco)
dco(標準出力)ファイルをテキストエディタで開きます。
8.2.4. 詳細出力ファイルを表示(dat)
詳細出力ファイルをテキストエディタで開きます。
8.2.5. アニメーション
8.2.5.1. 構造最適化 (dco)
dcoファイルを選択し、構造最適化計算のトラジェクトリをアニメーション表示します。
アニメーション表示の操作方法は アニメーション操作エリア を参照してください。 アニメーション操作エリアから動径分布関数、自己拡散係数、平均二乗変位、各原子の変位などを計算できます。
8.2.5.2. MD (traject)
dciファイルとtrajectファイルを選択し、MD計算のトラジェクトリをアニメーション表示します。
メインウィンドウのファイル名は変化しません。
アニメーション表示の操作方法は アニメーション操作エリア を参照してください。 アニメーション操作エリアから動径分布関数、自己拡散係数、平均二乗変位、各原子の変位などを計算できます。
8.2.6. エネルギー変化
ログファイルを選択し、エネルギー、温度などの各種熱力学量のグラフを表示します。
サブウィンドウの操作方法は Energy Plotウィンドウ を参照してください。