6.5. 半経験QM ‣ MOPAC メニュー

MOPACに関するメニューです。

MOPAC6とMOPAC7はWinmostarに同梱されています。 それ以外のMOPACを利用する場合は、別途代理店よりMOPAC本体を購入し、環境設定ウィンドウにてパスを設定してください。

6.5.1. キーワード設定

MOPACの計算条件を設定します。設定後、すぐに計算を実行する場合は Run ボタン、一旦メインウィンドウに戻る場合は OK ボタンを押してください。

Run をクリックしたときの挙動は (1) MOP6W70実行, (2) MOP7W70実行, (3) MOPACX実行 を参照してください。

Reset ボタンでデフォルトの状態に戻ります。 Save as Default ボタンで現在の状態をデフォルトの状態として保存します。 Save as Default ‣ Clear Default Settings で保存されてデフォルトの状態を出荷時の状態に戻します。

Easy Setup
簡易設定画面を表示します。
Hamiltonian

使用するハミルトニアンを指定します。MOPACの各パージョンがサポートするハミルトニアンは以下の通りです。

ハミルトニアン 実装されているMOPACのバージョン
AM1 MOPAC 6, MOPAC 7, MOPAC 93, MOPAC 97, MOPAC 2000, MOPAC 2002, MOPAC 2006, MOPAC 2009, MOPAC 2012
PM3 MOPAC 6, MOPAC 7, MOPAC 93, MOPAC 97, MOPAC 2000, MOPAC 2002, MOPAC 2006, MOPAC 2009, MOPAC 2012
RM1 MOPAC 2007
AM1 EXTERNAL=RM1.rm1 MOPAC 7.1, MOPAC 93, MOPAC 97, MOPAC 2000, MOPAC 2002, MOPAC 2006, MOPAC 2009, MOPAC 2012
PM5 MOPAC 2002, MOPAC 2006
PM6 MOPAC 2007, MOPAC 2009, MOPAC 2012
PM7 MOPAC 2012
MINDO/3 MOPAC 6, MOPAC 7, MOPAC 93, MOPAC 97, MOPAC 2000, MOPAC 2002, MOPAC 2006
MNDO MOPAC 6, MOPAC 7, MOPAC 93, MOPAC 97, MOPAC 2000, MOPAC 2002, MOPAC 2006, MOPAC 2009, MOPAC 2012
MNDO-d MOPAC 97, MOPAC 2000, MOPAC 2002, MOPAC 2006, MOPAC 2009, MOPAC 2012
Method

計算方法を指定します。

EF
EF (Eigen Vector Following)法による構造最適化計算を行います。
TS
遷移状態を求めます。
FORCE
振動解析を行います。
1SCF
1回だけSCF計算を行います。(構造最適化を行いません。)
IRC
固有反応座標計算を行います。エネルギーは保存されません。
IRC=1
1番目の基準振動の逆方向を指定して固有反応座標計算を行います。
IRC=-1
1番目の基準振動の正方向を指定して固有反応座標計算を行います。
Charge
電荷の値を指定します。
Multiplicity
多重度を指定します。
OPEN
開殻計算における電子数と軌道数を指定します。
MM
MMOK
CONH結合に分子力学補正を加えます。
NOMM
CONH結合に分子力学補正を加えません。
GNORM
エネルギー勾配ノルムの閾値を指定します。
LARGE
指定したサイクルごとに情報を出力します。
GRAPH
分子軌道をグラフィックス表示するためのファイルを作成します。(GPAGH/GRAPHF)
EXTERNAL
ディスク上のパラメータ・ファイルを読み込みます。
STEP
反応座標計算におけるきざみ幅を指定します。
POINT
反応座標計算における計算点数を指定します。
STEP1/2
グリッド計算におけるきざみ幅を指定します。
POINT1/2
グリッド計算における計算点数を指定します。
AUX
他のプログラムで利用するためのAUXファイルを作成します。
BONDS
最終の結合次数行列を出力します。
ENPART
エネルギーを1中心および2中心項に分解するエネルギー分割を指定します。
ESP
静電ポテンシャルを計算します。
EXCITED
一重項第一励起状態を最適化します。
GEO-OK
原子が異常に近接している場合のチェックを無視します。
NOINTER
原子間距離を出力しません。
OLDFPC
古いバージョンのMOPACと同じ基準物理量の値を用います。
POLAR
分極率を計算します。
PRECISE
収束判定条件を 100 倍厳しくします。
SYMMETRY
対称性や等価条件を利用して構造を定義します。
UHF
非制限Hartree-Fock計算を実行します。
VECTORS
最終固有ベクトル(波動関数)を出力します。
XYZ
XYZ座標系を用いて計算を行います。
Others
その他のキーワードを記入します。

6.5.2. キーワード読み込み

既存のMOPACの入力ファイルから、キーワード(計算条件)のみを読み込みます。

6.5.3. (1) MOP6W70実行, (2) MOP7W70実行, (3) MOPACX実行

メインウィンドウでMOPACの入力ファイルが開かれている場合は、そのファイルを使ってMOPACを実行します。 開かれていない場合は、MOPACの入力ファイルを保存した上でMOPACを実行します。

入力ファイルを保存する際に、 座標出力形式を切り替え の選択肢( Z-Matrix または XYZ )および 座標表示エリアZ-Matrix / XYZ タブの選択に応じて座標の出力フォーマットが変化します。

(1) MOP6W70実行 , (2) MOP7W70実行, (3) MOPACX実行 の違いは、起動するMOPACのプログラムパスです。 プログラムパスは、 ツール ‣ 環境設定 ‣ プログラムパス で変更することができます。 デフォルトで設定されている MOP6W70 はMOPAC6、 MOP7W70 はMOPAC7で、どちらもWinmostarに内蔵されているものです。 (3) MOPACX実行 にはMOPAC2012などのプログラムを指定して使うことを想定しています。

実行に伴い以下のファイルが生成されます。 例として入力ファイルが water.dat の時のファイル/フォルダ名を併記しています。

種類 説明
outファイル
water.out
計算結果の概略をまとめたファイルです。
arcファイル
water.arc
計算結果の詳細をまとめたファイルです。
mgfファイル
water.mgf
キーワードGRAPHを指定したことで出力されるファイルで、
分子軌道の描画に使われる情報を含みます。
作業ディレクトリ
water_mop_tmp\
作業ディレクトリです。

6.5.4. ログを表示 (out)

outファイルをテキストエディタで開きます。

6.5.5. ログを表示 (arc)

arcファイルをテキストエディタで開きます。

6.5.6. アニメーション

6.5.6.1. 構造最適化 (arc)

arcファイルを選択し、分子構造のアニメーションを表示します。

アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。

6.5.6.2. IRC, STEP (out)

outファイルを選択し、IRC計算のアニメーションを表示します。

アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。

6.5.7. 結果解析

6.5.7.1. 分子軌道, 電子密度 (mgf)

mgfファイルを選択し、分子軌道を表示します。

キーワードGRAPHF が設定されている必要があります。 サブウィンドウの操作方法は Energy Level Diagramウィンドウ , MO Plotウィンドウ を参照してください。

6.5.7.2. 電荷 (arc)

arcファイルを選択し、電荷、ダイポールを表示します。

表示 ‣ ラベル/電荷 ‣ Mulliken電荷 を選択すると電荷が表示されます。

6.5.7.3. IRスペクトル (out)

outファイルを選択し、IRスペクトルを表示します。

キーワード で振動計算が設定されている必要があります。 サブウィンドウの操作方法は IR Spectrumウィンドウ を参照してください。

6.5.8. ジョブマネージャで実行

チェックが入っている場合は、MOPACを実行する際に Winmostar Job Manager を使用します。 入っていない場合は、MOPACでの計算が終わるまでWinmostarは待ち状態となり、MOPACの出力結果は自動でメインウィンドウに読み込まれます。

ツール ‣ 環境設定 メニュー からも設定することができます。