6.17. 固体 ‣ Quantum ESPRESSO メニュー

Quantum ESPRESSOに関するメニューです。

Quantum ESPRESSOをインストールする方法は インストール に記載しています。

6.17.1. キーワード設定

Quantum ESPRESSOの計算条件を設定します。設定後、すぐに計算を実行する場合は Run ボタン、一旦メインウィンドウに戻る場合は OK ボタンを押してください。

Run をクリックしたときの挙動は 実行 を参照してください。

Reset ボタンでデフォルトの状態に戻ります。 Save ボタンでForce Fieldを除く設定を保存します。 Load ボタンで Save にて保存した設定を読み込みます。

キーワード表示エリア に表示されているQuantum ESPRESSOのキーワードと本機能のウィンドウに設定された内容が異なる場合は、キーワード表示エリアからキーワードを読み込むか尋ねられます。

本機能を呼び出すときに、メインウィンドウに表示された構造がプリミティブセルに変化できる場合は、自動で 格子を変換 が実行されます。

Output Directory

データの出力先フォルダ(outdir)を指定すると同時に、ジョブの新規・継続実行を指定します。

Create
新規にデータの出力先フォルダを作成します。outdirは新規フォルダに設定されます。
Continue
メイン画面に読み込まれている、直前に実行されたQEのジョブを継続します。outdirは直前に実行されたジョブのoutdirに設定されます。
Select
開いたダイアログで指定したフォルダを出力先に指定し、そのフォルダのデータからジョブを継続します。outdirはここで指定したものに設定されます。
Preset

設定のプリセットを選択します。各プリセットは以下のキーワードを変更します。

 
SCF
SCF+Bands
+DOS
SCF+Bands
(Fermi surf)
Relax
Relax
(variable cell)
BOMD
CPMD
Phonopy
calculation
scf scf scf relax vc-relax md cp scf
Use nbnd
False True True False False False False False
K_POINTS
gamma
automatic
4 4 4 1 1 1
automatic
4 4 4 1 1 1
gamma
automatic
4 4 4 1 1 1
gamma gamma gamma
tstress
False False False False False True False False
Set ibrav
and celldm
False True True False False False False False
occupations
    smearing          
ion_dynamics
      bfgs bfgs verlet none  
cell_dynamics
        bfgs      
tprnfor
False False False True True True True True
tstress
False False False False True False False True
Use cell_factor
False False False False True False False False
pot_extrapolation
          second_order    
wfc_extrapolation
          second_order    
electron_dynamics
            sd  
Unit for
atomic_position
angstrom     angstrom angstrom angstrom angstrom crystal
Band structure
plot
False True True False False False False False
DOS plot
False True True False False False False False
PDOS plot
False True False False False False False False
Fermi surface
False False True False False False False False
Use MPI
QEの実行時にMPIを用いて並列計算を実行するか指定します。横の欄にはMPIプロセス数を入力します。
Basicタブ
calculation
計算の種類を選択します。
Use nbnd
バンド数を指定します。チェックを入れない場合は自動で設定されます。括弧内に選択されたは擬ポテンシャルを使用したときの価電子数が表示される。価電子数の自動計算に失敗した場合はN/Aと表示される。
K_POINTS

K点の指定方法をプルダウンから選び、下のテキストボックスにQEの書式でK点を指定します。 gammaの場合はΓ点のみで計算されます。 automaticの場合は「(kx方向の分割数) (ky方向の分割数) (kz方向の分割数) (kx方向のシフトフラグ) (ky方向のシフトフラグ) (kz方向のシフトフラグ)」(スペース区切り)を入力します。シフトフラグは0のときにシフトなし(k点がΓ点を含む)、1のときにシフトあり(k点がΓ点を跨ぐ)となります。 その他詳細はpw.xのマニュアルまたはQEインストールフォルダ以下のdoc/brillouin_zones.pdfをご参照ください。

Set default k-path
メインウィンドウに表示されている結晶について検出されたブラベー格子(ibrav)のデフォルトのk点パスをUserPref/kpath_default.txtから取得して設定します。
nosym
空間対称性の利用の有無を指定します。
noinv
時間反転対称性の利用の有無を指定します。
Set ibrav = ... and celldm
メインウィンドウにプリミティブセルが表示されていて、チェックが入っている場合は、適当なibravとcelldmを設定します。 チェックが入っていない場合は、ibrav=0とし、CELL_PARAMETERSを設定します。
ecutwfc
波動関数の計算時の平面波のカットオフエネルギーを指定します。
ecutrho
電子密度およびポテンシャル計算時の平面波のカットオフエネルギーを指定します。
tot_charge
シミュレーションセル内の系全体の電荷を指定します。
occupations
金属の場合はsmearing, DOS計算の場合はtetrahedronを指定します。
ion_dynamics
イオン(原子核)位置を変化させるアルゴリズムを指定します。
cell_dynamics
シミュレーションセルを変化させるアルゴリズムを指定します。
tprnfor
力を計算します。
tstress
圧力テンソルを計算します。
Advancedタブ
conv_thr
SCF計算時のエネルギーの許容誤差を指定します。
etot_conv_thr
構造最適化(relax)計算時のエネルギーの許容誤差を指定します。
forc_conv_thr
構造最適化(relax)計算時の力の許容誤差を指定します。
press_conv_thr
セルの構造最適化(relax-vc)計算時の圧力の許容誤差を指定します。
electron_maxstep
SCF計算の最大反復数を指定します。
nstep
構造最適化(relax)計算の最大ステップ数およびMD計算のステップ数を指定します。
upscale
構造最適化(relax)計算の最中にconv_thrを自動的に小さくする際の係数を指定します。
diagonalozation
対角化アルゴリズムを指定します。
lspinorb
ノンコリニア計算時にスピン軌道相互作用付きの擬ポテンシャルファイルを使えるようにします。
smearing
占有平滑化(smearing)の方法を指定します。
degauss
占有平滑化のパラメータを指定します。
mixing_beta
SCF計算における新旧のKS軌道の混合比を指定します。1に近いほど予測値の割合が大きくなります。
mixing_mode
新旧のKS軌道の混合アルゴリズムを指定します。
vdw_corr
ファンデルワールス(分散)力の補正方法を指定します。
Use input_dft
チェックを入れた場合は、汎関数の設定を擬ポテンシャルファイルに書かれた設定に対し上書きします。
cell_dofree
シミュレーションセルを動かす際の自由度(方向)を指定します。
Use cell_factor
擬ポテンシャルテーブルの構築パラメータを明示的に指定します。vc-relax(セルサイズの変化を伴う構造最適化計算)の際に大きい値を設定した方がいい場合があります。
Spin/DFT+Uタブ
nspin
スピン分極計算の設定をします。
Use tot_magnetization
チェックを入れた場合は、ここで系全体の磁化を指定します。チェックしない場合はstarting_magnetizationを指定します。
starting_magnetization
各原子種の磁化の初期値を与えます。
lda_plus_u
LDA+U計算を実行します。
Hubbard_U/alpha
各原子種のHubbardのUおよびalphaパラメータを指定します。
Phononタブ
Run Phonon Calculation as Postprocess
フォノン計算を実行します。 具体的には、pw.xを実行した後にph.xを実行します。 この項目を有効にするためには、CalculationにSCFまたはrelaxを選ぶ必要があります。 ph.xなどの入出力ファイルは作業ディレクトリ内に作成されます。
Threshold
フォノン計算の打ち切り誤差を指定します。
Calc Macroscopic Dielectric Constant
フォノン計算から得られる誘電率を計算します。
Calc Non-resonant Raman
Ramanスペクトルの計算を含めます。
Acoustic Sum Rule
フォノン計算後のスペクトル算出時(dynmat.x)のAcoustic Sum Ruleの与え方を指定します。フォノン計算そのものには影響を与えません。
Calc Phonon Dispersion
フォノン分散を計算します。フォノンバンド構造、フォノン状態密度を取得するためにはこれを指定する必要があります。
K Points (Dispersion)
フォノン分散の計算時のK点の数を指定します。
Dynamicsタブ
Simulation Package
MD計算に使用する計算パッケージを指定します。cp.xの場合はCPMD法を使います。
dt
MD計算の時間刻みをatomic unitで指定します。
tempw
MD計算で温度制御を指定した際の目標温度を指定します。
press
MD計算で圧力制御を指定した際の目標圧力を指定します。
ion_temperature
MD計算のイオン(原子核)の温度制御方法を指定します。
ion_velocities
MD計算のイオンの初速度を指定します。
tolp
温度制御時の温度の許容値を指定します。
pot_extrapolation
Born-Oppenheimer MD使用時のポテンシャルの外挿方法を指定します。
wfc_extrapolation
Born-Oppenheimer MD使用時の波動関数の外挿方法を指定します。
electron_dynamics
Car-Parrinello MD使用時のKS軌道を変化させるアルゴリズムを指定します。
electron_velocities
Car-Parrinello MD使用時の電子の初速度を指定します。
emass
Car-Parrinello MD使用時の電子の仮想質量を指定します。
emass_cutoff
Car-Parrinello MD計算時の電子の仮想質量のカットオフ値を指定します。
orthogonalization
行列計算(正規直交化)の方法を指定します。
Dipole Corrタブ
tefield
ノコギリ型の外部電場を印加します。
dipfield
ダイポール補正を使用します。
edir
tefieldとdipfieldが適用される方向を設定します。
emaxpos
tefieldとdipfieldを適用する際の、外部電場が最大値となる場所を分率座標(0から1の範囲)で与えます。
eopreg
tefieldとdipfieldを適用する際の、外部電場が減衰する領域のサイズを分率座標で与えます。
eamp
tefieldとdipfieldを適用する際の、外部電場の大きさを与えます。
ESMタブ
assume_isolated=esm
ESM(Effective Screening Medium, 有効遮蔽媒質)法を使用する場合はチェックを入れます。
esm_bc
ESM法で使われる境界条件の種類を指定します。
esm_efield
電場を指定します。
lfcpopt
化学ポテンシャル一定(constant mu)計算を実施します。初期の系全体の電荷はBasicタブのtot_chargeで指定されます。
fcp_mu
化学ポテンシャル一定計算でのフェルミエネルギーの目標値を設定します。
Enter Relative Potential
Target Fermi Energyの入力をサポートします。 まず、電圧0での計算のログファイルを指定し、電圧0でのフェルミエネルギーを取得します。 次に、印加電圧を入力します。 これら2つの情報から、Target Fermi Energyを算出します。
RISM(1)タブ
trism=.True.
RISM計算を有効にします。ESM-RISM計算を実行する際は、ここにチェックを入れ、 ESM タブの assume_isolated=esm にもチェックを入れてください。この機能を利用するには、ESM-RISM機能が有効になったバージョンのQuantum ESPRESSOを別途インストールする必要があります。
closure
RISM計算で使用するクロージャを選択します。
tempv
RISM計算の温度を指定します。
ecutsolv
RISM計算のカットオフエネルギーを指定します。
solute_lj
溶質(DFT領域)のLJパラメータを指定します。 none を選択した場合は、その下の solute_epsilonsolute_sigma にLJパラメータを入力してください。
nsolv
溶媒の分子種の数を指定します。
SOLVENTS
Density の単位をプルダウンから選択し、各溶媒分子種の密度(濃度)とMOLファイルの名前を指定します。MOLファイルは下の Directory for MOL Files で指定したフォルダに収められている必要があります。
Directory for MOL Files
SOLVENTS で選択できるMOLファイルを収めたフォルダを指定します。
RISM(2)タブ
laue_expand_right/left
ESM-RISM計算における溶媒領域の遠方側の端の位置を指定します。
laue_starting_right/left
ESM-RISM計算における溶媒領域の開始位置を指定します。
laue_buffer_right/left
ESM-RISM計算における溶媒のバッファ領域の位置を指定します。
Run only 1D-RISM
ここをチェックした場合は、pw.xの代わりに1drism.xを実行します。DFT計算は実行されません。溶媒原子間相関関数や溶媒間の化学ポテンシャルのみを知りたいときに有効です。
rism3d_conv_level
SCF計算の各ステップにおける3D-RISM計算の打ち切り誤差を、動的に変化させる際のパラメータを指定します。
rism1d/rism3d_maxstep
1Dおよび3D-RISMの最大反復回数を指定します。
rism1d/rism3d_conv_thr
1Dおよび3D-RISMの打切り誤差を指定します。
mdiis1d/3d_size
MDIISアルゴリズムによるRISM計算の収束パラメータを指定します。
mdiis1d/3d_step
MDIISアルゴリズムによるRISM計算の収束パラメータを指定します。
Otherタブ
QEの入力ファイルの書式(FORTRANのnamelist形式)で、その他の設定を記入します。 記入例は、ポインタを重ねると表示されます。
Options
Verbosity
QEが出力する情報量を指定します。
atomic_position unit
ATOMIC_POSITIONSおよびCELL_PARAMETERSの単位を指定します。
Use max_seconds
チェックを入れた場合、ここに入力した秒数の経過後QEの処理が中断されます。
Make a Backup of Working Directory
Output DirectoryがCreateの際に、作成される_qe_dataフォルダが既に存在する場合、フォルダ名末尾に数字を付加して既に存在するフォルダをバックアップします。
Dump all files for remote
Linux環境でのジョブ実行に必要なファイルを出力します。リモートジョブ投入機能で生成されるファイルと同じファイルが出力されます。
Open k-path file
ibrav(ブラべ格子)の種類ごとにデフォルトで指定するk点パスを記述する設定ファイル(UserPref/kpath_default.txt)を開きます。UserPref/kpath_default.txtが存在しない場合はwmx/kpath_default.txtからコピーされます。
Use RISM-enabled QE
RISMが実装されたQEを使う場合にチェックを入れます。
Propertiesタブ
Calculate these properties after pw.x
pw.x実行直後に実行されるポスト処理を選択します。ここで選択した処理の各種パラメータは右のParameter/Value欄にて指定します。
Pseudo Potentialsタブ
Mass

各元素の質量を指定します。

Default
標準的な質量を設定します。
Light
全元素の質量を1に設定します。イオンの構造緩和の促進などの目的で使われます。
Manual
下のリスト内で、各元素に対し、ユーザーが個別に質量を設定します。
Pseudo Potential
系内の全元素に共通して存在する種類の擬ポテンシャルをプルダウンで選択できます。 (Manual)を選んだ場合は、下のリスト内で、各元素に対し、ユーザーが個別に擬ポテンシャルを設定します。 擬ポテンシャルファイルは、pseudo Directoryで指定したフォルダの中から検索されます。 UserPref/qe_pseudo_priority_list.txtの先頭に書かれたものが優先的に選択されます。
Reload pseudo Files
pseudo Directoryで指定したフォルダに配置された擬ポテンシャルファイルを再度読み込みます。
pseudo Directory
擬ポテンシャルファイルを配置するフォルダを指定します。 pseudo in QE's directory の場合は、QEのインストールディレクトリ以下のpseudoフォルダを用います。 (select...) の場合は、ダイアログで選択したディレクトリを用います。
Open Pseudo Directory
pseudo Directoryで指定したフォルダを開きます。
Download Pseudo Files
擬ポテンシャルファイルをダウンロードしてインストールします。
Open Priority List
UserPref/qe_pseudo_priority.txtを開きます。存在しない場合はwmx/qe_pseudo_priority.txtからコピーされます。

6.17.2. 実行

Quantum ESPRESSOを実行します。 状況に応じて実行方法が異なります。

CPMDを選択したときは cp.x 、それ以外の時は pw.x が実行されます。

  • (デフォルト) Output Directory = Create の時は、作業ディレクトリを新規に作成して計算を実行します。
  • Output Directory = Continue の時は、その時メインウィンドウで開いている入力ファイルのoutdirを作業ディレクトリとして使用します。
  • Output Directory = Select の時は、選択したフォルダを作業ディレクトリ(outdir)として使用します。

実行に伴い以下のファイルが生成されます。 例として入力ファイルが si.pwin の時のファイル/フォルダ名を併記しています。

種類 説明
pwoutファイル
si.pwout
計算のログファイルです。
batファイル
si.bat
Quantum ESPRESSOを実行するためのバッチファイルです。
作業ディレクトリ
si_qe_data\
作業ディレクトリです。

作業ディレクトリには以下のファイルが生成されます。 ここでは主要なファイルのみ示しています。

種類 説明
擬ポテンシャルファイル
*.UPF
計算に使用する擬ポテンシャルファイルは
ここにコピーされ、ESPRESSO_PSEUDO環境変数は
作業ディレクトリに設定されます。
gmx_tmp.mdp
計算条件を指定するファイルです。
pw_bands.in
ポスト処理でbands計算を実行する際の入力ファイルです。
pw_bands.out
pw_bands.in のログファイルです。
pw_dos.in
ポスト処理でdos計算を実行する際の入力ファイルです。
pw_dos.out
pw_dos.in のログファイルです。
ph.in
ポスト処理で ph.x を用いてフォノン計算を
実行する際の入力ファイルです。
ph.out
ph.in のログファイルです。

ヒント

作業ディレクトリ

  • 作業ディレクトリとは、メインウィンドウで開かれているファイルの名前に接尾辞を加えた名前のフォルダです。

    • 接尾辞はソルバの種類により変わります。
    • 例えばGromacsの場合は、メインウィンドウで開かれているファイルが aaa.gro で、接尾辞が _gmx_tmp の場合、作業ディレクトリの名前は aaa_gmx_tmp となります。
  • メインウィンドウで開かれているファイルと同じ階層に置かれている必要があります。

  • 継続ジョブの時も同名の作業ディレクトリで処理が流れますが、デフォルトでは継続ジョブの実施直前に、直前のジョブの作業ディレクトリのバックアップが作成されます。

    • バックアップの名前は、重複する名前が存在しない範囲で一番小さい番号が付いたものになります。例えば、作業ディレクトリが aaa_gmx_tmp のときは aaa_gmx_tmp1 となります。
    • 番号が付いていないディレクトリが常に最新のものとなります。

ジョブは Winmostar Job Manager を通じて実行されます。

6.17.3. ログを表示

ログファイルをテキストエディタで開きます。

6.17.4. アニメーション

6.17.4.1. 構造最適化/BOMD(pwout)

ログファイルの情報から構造最適化、BOMD計算等のアニメーションを作成し表示します。

CPMDの場合は CPMD(pos) を使用してください。

アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。

6.17.4.2. CPMD(pos)

CPMDのposファイルとcelファイルを指定し、アニメーションを表示します。

pw.xの結果を表示する場合は 構造最適化/BOMD(pwout) を使用してください。

アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。

6.17.5. エネルギー変化

6.17.5.1. SCFエネルギー変化(pwout)

ログファイルを選択し、total energyのグラフを表示します。

CPMDの場合は CPMDエネルギー変化(evp) を使用してください。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.5.2. CPMDエネルギー変化(evp)

CPMDのevpファイルを指定し、各種エネルギーの時間変化を表示します。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6. 結果解析

6.17.6.1. 電子密度

作業ディレクトリ(outdir)を指定し、等電子密度面を表示します。

バックグラウンドではpp.xが流れ、cubeファイルが生成されます。

サブウィンドウの操作方法は MO Plotウィンドウ を参照してください。

6.17.6.2. Lowdin電荷

作業ディレクトリ(outdir)を指定し、点電荷を算出・表示します。

バックグラウンドでprojwfc.xが流れます。

6.17.6.3. ポテンシャルエネルギー分布

作業ディレクトリ(outdir)とSCF計算のログファイルを指定し、z軸方向のポテンシャルエネルギー分布を表示します。

SCF計算のログからはフェルミエネルギーを取得します。 フェルミエネルギーとポテンシャルエネルギー分布の最大値の差を、仕事関数の推定値として表示します。 バックグラウンドでpp.xとaverage.xが流れます。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.4. バンド構造

作業ディレクトリ(outdir)とSCF計算のログファイルを指定し、バンド構造を表示します。

事前にcalculation=bandsで計算が終了している必要があります。 SCF計算のログファイルからはフェルミエネルギーを取得します。 バックグラウンドでbands.xが流れます。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.5. 状態密度

作業ディレクトリ(outdir)とSCF計算のログファイルを指定し、状態密度を表示します。

SCF計算のログファイルからはフェルミエネルギーを取得します。 バックグラウンドでdos.xが流れます。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.6. 部分状態密度

作業ディレクトリ(outdir)とSCF計算のログファイルを指定し、部分状態密度(PDOS)を表示します。

SCF計算のログからはフェルミエネルギーを取得します。 バックグラウンドでprojwfc.xが流れます。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.7. フェルミ面

SCF計算とbands計算のログファイルを指定し、フェルミ面を表示します。

フェルミ面の表示には FermiSurfer を使用します。 # of K Points にbands計算時のk点分割数を指定し、 Calc ボタンを押すとフェルミ面が表示されます。

6.17.6.8. 誘電関数

誘電関数計算後の作業ディレクトリを指定し、誘電関数を表示します。

Direction
取得する誘電関数の方向を指定します。
Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.9. IR/ラマンスペクトル

フォノン計算後の作業ディレクトリとSCF計算のログを指定し、IRおよびラマンスペクトルを表示します。

サブウィンドウの操作方法は IR Spectrumウィンドウ を参照してください。

6.17.6.10. フォノン分散曲線

フォノン分散計算後の作業ディレクトリを指定し、フォノン分散曲線を表示します。

ASR
適用するAcoustic Sum Ruleの種類を指定します。
K Points
取得する分散曲線のパスを指定します。 各行には、x, y, z成分をそれぞれ2pi/aの単位で記述し、その横に次の点までの間の分割数を記述します。(合計4カラムをスペース区切りで入力)
Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.11. フォノン状態密度

フォノン分散計算後の作業ディレクトリを指定し、フォノン状態密度を表示します。

ASR
適用するAcoustic Sum Ruleの種類を指定します。
K Points
フォノンDOS計算時のK点の分割数を指定します。
Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.12. 電荷/エネルギー分布 (esm1)

ESM計算(assume_isolated=esm)で出力されるesm1ファイルを指定し、z軸方向の電荷またはエネルギーの分布を表示します。

2つのesm1ファイルの差をプロットすることもできます。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.13. 1D-RISM RMS変化 (pwout)

RISM計算(trism=.True.)の最初に実行される1D-RISM計算のRMSの変化をプロットします。

Draw
グラフを表示します。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.14. 3D/Laue-RISM RMS変化 (pwout)

RISM計算(trism=.True.)実行時の、最後のSCFステップにおける3D-RISMまたはESM-RISM計算のRMSの変化をプロットします。

Draw
グラフを表示します。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.15. 溶媒原子間相関関数 (1drism)

RISM計算(trism=.True.)で出力される1drismファイルを用いてRISM領域の原子間相関関数(動径分布関数)を算出します。

Obtain Chemical Potentials
溶媒分子間の化学ポテンシャルをcsv形式で出力します。
Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.6.16. 溶媒密度/エネルギー分布(rism1)

RISM計算(trism=.True.)で出力されるrism1ファイルを用いて、DFT領域-RISM領域が接する方向(界面垂直方向)の溶媒密度・エネルギー・電荷を算出します。

Draw
グラフを表示します。 必要に応じて結果解析用プログラムが実行されます。
Close
ウィンドウを閉じます。

グラフ描画エリアの操作方法は グラフの操作方法 を参照してください。

6.17.7. MOLファイルを作成

RISM計算(trism=.True.)で使用される溶媒のMOLファイルを作成します。溶媒分子を1分子メインウィンドウに作成した上で本機能を呼び出してください。LAMMPSのdata形式を入力にする際には Use parameters in displayed file にチェックを入れてください。

作成したファイルはMOLファイルのキーワード設定ウィンドウの RISM(1) タブの Directory for MOL Files で指定したフォルダに配置してください。

6.17.8. Nudged Elastic Band

6.17.8.1. キーワード設定

NEB計算の条件を設定します。

始状態と終状態それぞれの構造最適化計算を終えた状態で設定してください。

6.17.8.2. 実行

neb.xを用いてNEB計算を実行します。

6.17.8.3. 遷移状態

NEB計算後のファイルを指定し、反応座標に沿ったエネルギーと原子構造の変化を表示します。

アニメーション表示の操作方法は Animationウィンドウ を参照してください。

6.17.9. BoltzTraP

BoltzTraPでは、QuantumESPRESSOでのnscf計算のアウトプットをもとに熱電特性の計算を行います。

6.17.9.1. キーワード設定・実行

BoltzTraPを用いたプリ・ポスト処理の計算条件を設定し、プリ処理の実行を行います。

Create .intransファイル ボタン

Quantum ESPRESSOのnscf計算のアウトプットファイル (.pwout)を読み込み、BoltzTraP設定ファイル(.intrans)を生成します。 アウトプットファイルを仮にmg2si_nscf.pwoutとすると、同じ階層にmg2si_nscfという名前の作業ディレクトリを生成します。 mg2si_nscf.intransはmg2si_nscf内に生成されます。

intransファイルの作成に成功した場合、ファイルの内容を読み込み、下記キーワードの入力欄に反映します。

Fermilevel (Ry)
pwoutファイルから読み込んだフェルミエネルギーが設定されています。
energy grid
設定エネルギーの間隔を指定します。
energy span
フェルミレベル周辺の計算に考慮に入れるバンドエネルギーの範囲を指定します。
number of electrons
単位格子内の電子の個数を指定します。
lpfac
バンドエネルギーをフーリエ展開によって補完する際の因子を指定します。
efcut
化学ポテンシャルを変えて計算する範囲を指定します。
Tmax
設定温度の上限値を指定します。
temperature grid
設定温度の間隔を指定します。
energy of bands
DOSから得られたバンドのエネルギー幅を指定します。
Calculate expansion coeff
チェックが入っている場合、膨張係数を計算を計算します。

Start BoltzTraP ボタン

設定条件を元にintransファイルを再作成し、BoltzTraPを実行します。 このとき、以下のファイルとフォルダが生成されます。

下記では、計算終了時点での作業ディレクトリ(mg2si_nscf)内の主なファイルを記載します。

種類 説明
.intfansファイル
mg2si_nscf.intrans
BoltzTraPのインプットファイルです。
.traceファイル
mg2si_nscf.trace
BoltzTraPで計算された熱電特性のエネルギー、温度依存性に関する情報が出力されたファイルです。 BoltzTraP結果読み込みメニューではこのファイルを読み込み可視化を行います。

Cancel ボタン

何もせずにキーワード設定・実行ウィンドウを閉じます。

6.17.9.2. 結果読み込み

BoltzTraPによって計算された下記の熱電特性を読み込み、可視化を行います。

  • ゼーベック係数(Seebek coefficient)
  • 電気伝導度(Electrical conductivity)
  • 熱伝導率(Electrical thermal conductivity)
  • 出力因子(Power factor)
  • 性能指数(Figure of merit)

各温度における特性値のエネルギー依存性を表示したい場合はコンボボックスからT [K]を選択し、リストから目的の温度を選択します。 各エネルギーにおける特性値の温度依存性を表示したい場合はコンボボックスからE-Ef [eV]を選択し、リストから目的のエネルギーを選択します。

6.17.10. Phonopy

Phonopyでは、以下の3つの工程で計算を行います。

  1. 与えられたQuantum ESPRESSOインプットファイルを元にスーパーセルを作成する。 (プリ処理)
  2. 生成された全てのスーパーセルに対し、Quantum ESPRESSOを実行する。
  3. Quantum ESPRESSOのアウトプットファイルから、ForceSetsファイルを作成し、 Phononバンド、DOS、熱物性などの計算を行う。(ポスト処理)

6.17.10.1. キーワード設定・実行

Phonopyを用いたプリ・ポスト処理の計算条件を設定し、プリ処理の実行を行います。

Open ボタン
Quantum ESPRESSOのインプットファイル (*.in,*.pwin)を読み込みます。 Phonopyでのポスト処理では、応力の情報を必要とします。このため読み込むファイルは tprnfor, tstressキーワードを含んでいる必要があります。 Phonopy用のQuantum ESPRESSOのインプットファイルは、 Quantum ESPRESSOキーワード設定のPreset=Phonopyを使用することで設定できます。
DIM
スーパーセルのx, y, z方向のリピート回数を半角スペース区切りで指定します。
MP
PhonopyでPhonon DOSや熱物性の計算を行う際の逆格子を半角スペース区切りで指定します。
ATOM_NAME
単位格子に含まれる元素を半角スペース区切りで指定します。 Open ボタンでインプットファイルを開いた時点で自動的に入力されます。

Start ボタン

設定条件を元にPhonopyを実行し、プリ処理であるスーパーセルの作成を実行します。 このとき、以下のファイルとフォルダが生成されます。

種類 説明
batファイル
si.bat
Phonopyのプリ処理を実行するためのバッチファイルです。
shファイル
si.sh
Phonopyのプリ処理を実行するためのシェルスクリプトファイルです。
si_ph_dataフォルダ
si_ph_data
計算の作業ディレクトリです。

作業ディレクトリsi_ph_dataには以下のファイルが生成されます。

種類 説明
mesh.confファイル
mesh.conf
Phonopyのポスト処理にて、状態密度や熱物性を計算するときに使用されます。
band.confファイル
band.conf
Phonopyのポスト処理にて、バンド構造を計算するときに使用されます。
headerファイル
header.in
si.pwinで指定された構造情報以外のキーワード情報が記載されています。
supercellファイル
supercell-*.in
Phonopyにより生成されたスーパーセルの情報がQuantum ESPRESSOのインプットファイル形式で記載されています。
スーパーセルのパターンは複数生成されるため、*の部分には1, 2, などの数字が入ります。
tmpファイル
tmp-*.in
header.inとsupercell-*.inを結合したファイルです。

Cancel ボタン

何もせずにキーワード設定・実行ウィンドウを閉じます。

6.17.10.2. confファイル編集

confファイルをテキストエディタで開きます。 キーワード設定画面で設定したキーワードを編集したい場合に用います。

6.17.10.3. Quantum ESPRESSO連続実行

キーワード設定・実行画面で生成された、全てのスーパーセルに対し、Quantum ESPRESSOを実行します。 このメニューを用いた場合、Quantum ESPRESSOはローカル環境で実行されます。

6.17.10.4. Phonopy実行

Phonopyのポスト処理を実行します。

この時、作業フォルダ :file: si_ph_data に以下のファイルが生成されます。

種類 説明
shファイル
phonopy.sh
Phonopyのポスト処理を実行するためのシェルスクリプトです
band.yamlファイル
band.yaml
Phonopyのポスト処理で計算されたバンド構造の情報が出力されています。
dos.datファイル
dos.dat
Phonopyのポスト処理で計算された状態密度の情報が出力されています。
thermal_properties.yamlファイル
thermal_properties.yaml
Phonopyのポスト処理で計算された熱物性の情報が出力されています。

6.17.10.5. バンド構造

作業フォルダに含まれるband.csvをもとにバンド構造を表示します。

6.17.10.6. 状態密度

作業フォルダに含まれるtoal_dos.csvをもとに状態密度を表示します。

6.17.10.7. 熱物性

作業フォルダに含まれるthermal_properties.csvをもとに熱物性を表示します。