Quantum ESPRESSOは国際的なメンバーで構成されるプロジェクトで開発され、GPLライセンスで公開されているオープンソースの第一原理計算プログラムです。第一原理計算の分野ではVASP、WIEN2kといった有償のプログラムが有名ですが、近年は高額な有償プログラムへの依存(ロックイン)による運用・維持コスト増大や、有償プログラムの内部アルゴリズム・パラメータの不透明性を回避するなどの理由から、Quantum ESPRESSOなどオープンソースプログラムの利用が伸びてきています(NOMAD Web)。Quantum ESPRESSOは、様々な第一原理計算プログラムを比較する論文において高い精度であることが実証されています。
Quantum ESPRESSOに関するチュートリアルや学習素材はWeb上で無料で手に入れることもできます。(本家、弊社Qiita連載記事)
Quantum ESPRESSOは単体でも強力なソフトウェアですが、Quantum ESPRESSOのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)であるWinmostarとWinmostar有償サポートを導入することで研究開発をさらに促進することができるようになります。
YoutubeでWinmostarからQuantum ESPRESSOを実行する様子をご覧頂けます。
Winmostar有償サポートによるQuantum ESPRESSOの利用支援
Winmostarサポートチームには、Quantum ESPRESSOのソースコードの改良(開発実績)を行っている経験豊富なスタッフがいます。Winmostarに付帯・追加するサポートにより、Quantum ESPRESSOのインストール作業、計算エラーの調査、計算内容のプランニングなどQuantum ESPRESSOに関する様々なサポートを提供し、ユーザ様に着実にQuantum ESPRESSOおよび分子動力学計算に関してスキルアップして頂くことができます。
Winmostarは公的機関でのQuantum ESPRESSOの講習会にも採用されており、WinmostarのQuantum ESPRESSO関連機能のみならず、Winmostarサポートチームによる丁寧なサポートが受講者様に高い評価を受けています。
- 公益財団法人計算科学振興財団
WinmostarによるQuantum ESPRESSOのプリ・ポスト処理
Quantum ESPRESSOを利用するためには、複雑なインプットファイルの作成が必要ですが、Winmostar上では基本的な設定がマウス操作で済むため、作業効率の改善、作業ミスの低減が期待できます。WinmostarはQuantum ESPRESSOの入力ファイルを一括して出力するため、LAMMPSの習得手段としても有効です。
Quantum ESPRESSO本体には結晶、スーパーセル、スラブ、分子、アモルファス、界面などの原子構造を作成する機能が含まれていませんが、WinmostarではバックグラウンドでPymatgen、Spglib、Packmolなどの高品質なプログラムと連携し、それらの分子・原子構造をマウス操作で簡単に作成することが可能です。
Quantum ESPRESSOで結果解析を行うには複数のモジュールを適切に連携させる必要があり、またQuantum ESPRESSOでは計算できない重要な物性もあります。WinmostarにはQuantum ESPRESSOの各モジュールの自動連係機能があり、またBoltzTraP、Phonopyなどの高品質な結果解析ツールと連携して多彩な物性を出力する機能があります。
- バンド構造、状態密度、電子密度
- 安定構造、格子定数
- 仕事関数、ポテンシャルエネルギー分布
- IR、ラマンスペクトル、誘電率、フォノンDOS、フォノンバンド
- 自由エネルギー、エントロピー、比熱
- 誘電関数
- フェルミ面
- 膨張係数
- 遷移状態、活性化エネルギー、反応熱
- ゼーベック係数、電気伝導率、電子熱伝導率
- 結果解析機能一覧(マニュアル)
古典分子動力学計算(LAMMPSなど)や量子化学計算(Gaussianなど)など他の計算手法と連携する際には、複雑なデータコンバートを行う必要がありますが、Winmostarでは同じ操作感で他の計算手法も操作でき、データコンバートも自動で行われるため、シームレスに他の計算手法と連携することができるようになります。